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こよみの足音【桜梅桃李】和暦研究家・高月美樹さん

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梅は梅のまま咲くように、今いる場所で、自分の花を咲かせるようとするのがよいのだという例えです。

春の前半は小さな草花たちの季節でしたが、後半はいよいよ木に咲く花、木花(このはな)の季節です。

桃に続いて咲き出すのは、季(すもも)の花や、杏(あんず)の花。

そしてもうすぐ開花する桜に続いて、梨や林檎の花などの花が次々と咲いて、日本の春はいよいよ花盛りを迎えます。

桜梅桃李(おうばりとうり)という言葉があります。古く中国から伝わる四字熟語で、仏教とも関わりが深い言葉です。

桜、梅、桃、季(すもも)がそれぞれの場所で異なる花を咲かせるように、人間も自分に与えられた肉体や境遇をしっかりと受け入れ、そのままの性質を持ちながら、悟りの境地をめざすのがよいという意味です。

樹木は動くことができませんし、梅が桜になることもできません。どの花を見ても、ただそのままに咲いている素直さ、美しさがある。

そんなふうにそれぞれの人に良さがあり、梅は梅のまま咲くように、今いる場所で、自分の花を咲かせるようとするのがよいのだという例えです。桜梅桃李はこの四種に限らず、さまざまな花の木の形容でもあります。

文責・高月美樹


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高月美樹

和暦研究家・LUNAWORKS代表 
東京・荻窪在住。和暦手帳『和暦日々是好日』の制作・発行人。好きな季節は清明と白露。『にっぽんの七十二候』『癒しの七十ニャ候』『まいにち暦生活』『にっぽんのいろ図鑑』婦人画報『和ダイアリー』監修。趣味は群馬県川場村での田んぼ生活、植物と虫の生態系、ミツバチ研究など。

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