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こよみの足音 【山花咲野鳥語】和暦研究家・高月美樹さん

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花たちはそれぞれに笑い、うきうきした気持ちを抑えきれないかのようにさえずる鳥の声もほころびです。

いよいよ百花繚乱の季節。

ソメイヨシノに続いて、華やかな八重桜が満開です。さまざまな花樹が色とりどりに花を咲かせ、鳥たちが高らかにさえずっています。

山花咲野鳥語(さんかわらいやちょうかたる)

「咲く」と書いて、「わらう」と読みます。「笑い」とは固く結ばれていたものがほころぶこと、隠れていたものが外側に出ること。花たちはそれぞれに笑い、うきうきした気持ちを抑えきれないかのようにさえずる鳥の声もほころびです。

花は誰に見せるためでもなく、ただ無心に花を咲かせ、鳥たちはただ精一杯さえずっています。人もまたなんの作為もなく、共に在ることの中に、この世界の本当の美しさがある。この世の真理を自然の姿が教えてくれている、晩春にふさわしい禅語です。

鳥聲は花中の琴琵なり 素堂

文責・高月美樹


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高月美樹

和暦研究家・LUNAWORKS代表 
東京・荻窪在住。和暦手帳『和暦日々是好日』の制作・発行人。好きな季節は清明と白露。『にっぽんの七十二候』『癒しの七十ニャ候』『まいにち暦生活』『にっぽんのいろ図鑑』婦人画報『和ダイアリー』監修。趣味は群馬県川場村での田んぼ生活、植物と虫の生態系、ミツバチ研究など。

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