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はじめての梅干し作り

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季節を楽しむ梅仕事

梅仕事とは、梅の実を使って漬けたり、煮たりして保存食を作ることです。

塩に漬けて天日干しする梅干し、お酒に漬ける梅酒、氷砂糖に漬ける梅シロップ、砂糖と煮る梅ジャムがあります。他には味噌と砂糖で漬ける梅味噌、梅をすりおろして絞った汁を煮詰めた梅エキスなどもあります。

暦では、芒種の末侯「梅子黄(うめのみきばむ)」になると、梅の実は青色から黄色に色付いていきます。梅雨の由来は、梅の実が熟すころに降る雨からきているとも言われています。

今回は「はじめての梅干し作り」です。

「白梅干し」と「赤梅干し」の2種類を作ります。1種類の方が簡単そうですが、料理の味を調えることを「塩梅(あんばい)」という言葉があります。塩の量を変えるので、自分の好みに合った塩加減を掴んでいただけると思います。

「白梅干し」は「関東干し」とも呼ばれて、梅本来の風味をより味わえます。「赤梅干し」は、赤紫蘇の鮮やかな紅色と風味を感じる味わいです。梅には殺菌力がありますが、赤紫蘇にもあるので、長期保存に向いています。

生梅から感じる甘酸っぱい旬の香りを楽しみながら、はじめての梅干し作りを作りましょう。

白梅干し

【梅干し作り 5つのポイント】

1.完熟梅の選び方

黄緑色から黄色に色付いているもの。
まだ青いものは熱湯にくぐらせます。

2.道具は必ず消毒

梅干しの最大の敵であるカビを発生させないように防ぐことです。
私は普段から酒造メーカーがつくっている食べ物にかけても良いアルコール除菌スプレーを使っています。

3.漬ける容器

ガラス製の容器。 ※イメージ

漬ける容器はガラスかホーロー製が良いです。アルミや金属製は避けてください。梅の酸により溶けたり錆びたりするからです。容器がない場合は、大きめのジップロックに入れてください。

4.重石

重石は梅の重さの約1.5から2倍のものを用意してください。重石がない場合は、水を入れたペットボトルをのせます。ジップロックの場合は、別のジップロックで2重にして、深皿の上に置いて重石をのせます。

5.重さを量る

梅、粗塩、赤紫蘇の重さをきちんと量ること。


梅干し作りは、
1.下漬け(塩漬け)約10日間
2.赤紫蘇本漬け 約3〜4週間
3.土用干し 3日間
の3工程です。

一般的に売られている梅1袋1kg、赤紫蘇1袋200gで作ります。

1.下漬け(塩漬け)

材料

•完熟梅 1kg
•粗塩 75g(15%)と60g(12%)
•アルコール除菌スプレー(食品にかけてもよいもの)または35度の焼酎

作り方

①水をはったボールに梅をそっと入れて優しく水で洗います。

②キッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取った後、なり口についているヘタを傷めないように爪楊枝か竹串で取ります。

③ヘタを取った部分に粗塩を少しつけて、梅全体にアルコール除菌スプレーを軽く吹き付けます。

④消毒した容器を2つ用意して、梅の重さに対して15%、12%ずつの塩と分けて漬けます。
塩を少し入れて、梅と塩を交互にいれます。最後にアルコール除菌スプレーを軽く吹き付けます。

⑤重石をのせて、容器の上はラップで覆います。日が当たらない涼しい場所に置きます。水が上がっているか確認してください。

⑥3日ほど経つと梅がかぶるほどの白梅酢が上がってきます。重石の重さを半分にして、さらに1週間ほど置きます。出来れば冷蔵庫で保存すると、カビの発生をより防げます。
12%の塩で漬けた方を白梅干し用にします。このまま土用干しまで、保存します。

塩漬け3日後の様子
塩漬け3日後の様子
塩漬け10日後の様子

2-1.赤紫蘇のアク抜き

材料

•赤紫蘇の葉のみ200g
•粗塩40g(葉の重さの20%)

①茎を取り除いた葉を水でよく洗い、水気をしっかりと拭き取ります。

②大きめのボールに葉と粗塩20gを入れます。使い捨て手袋をはめて、よく揉んだ後、ギュッと水気を絞ります。最初は黒茶色をしています。

③残りの粗塩20gを加えて何度か揉んで絞る作業を絞り汁が紫色になるまで繰り返します。

④消毒した器かジップロックに赤紫蘇と浸るくらいの白梅酢を入れます。

2-2.本漬けの作り方

①15%の塩で漬けた方を使います。消毒した保存容器に塩漬けした梅の実を入れます。上に赤紫蘇をほぐしながらのせます。

②赤紫蘇をつけていた白梅酢と残りの白梅酢を入れて蓋をします。赤紫蘇が白梅酢に浸かっているようにします。ガラス製の小皿で軽く重しをかけても良いです。上にラップや紙を被せます。

③3週間から4週間冷蔵庫で保存して梅雨明けを待ちます。

3.土用干し

土用干しは、梅雨明けしてから晴れた日に3日間天日干しすることです。
土用とは、主に立秋前の18日間のことをさし、昔から暦に合わせて行う手仕事だったことが伺えます。

土用干しの流れ
・竹ざるを用意して、梅を並べます。
・赤紫蘇は汁気を絞って広げます。日中のあいだ、1回は梅干しをひっくり返して乾燥させます。
・夜は竹ざるごと室内に取り込みます。
・3日目は瓶に入れた白梅酢と赤梅酢も日光に当てて夜には取り込みます。
・3日目の夜だけ梅は取り込まず、夜露にあてます。夜露にあてると皮がやわらかくなります。朝のうちに取り込むとしっとりした梅干しに仕上がります。
・消毒した保存容器に梅干しと赤紫蘇を入れて保存します。すぐに食べられますが、半年ほど待つとしょっぱさがまろやかになり食べ頃になります。

忙しい方は、太陽の光が照りつける晴れた日でしたら2日間でも大丈夫です。
雨が降って濡れてしまうと、カビの原因になりますので、降る前に室内に取り込んでください。

白梅酢や赤梅酢は瓶に保存します。
来年の梅干し作りに使えますが、調味料として料理にも使えます。
茄子、胡瓜、茗荷を赤梅酢で漬けた「しば漬け」は京都の伝統的な漬物ですね。
そのほか、和え物やすし酢などにも使うことができます。

赤紫蘇はさらにカラカラになるまで天日干しした後、すり鉢ですると自家製ゆかりの出来あがり。

川口屋薫 かわぐちやかおる

Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味は囲碁。

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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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