こんにちは。気象予報士の今井明子です。
ジメジメとした雨の毎日。梅雨の季節は気がめいります。
しかし、ときには晴れ間がのぞくこともあります。こういう日は外出のチャンス!
真夏ほど暑くなってはいないので、ちょっと散歩するには気持ちがいいですよね。
このような、梅雨の間の晴れ間のことを「梅雨の中休み」といいます。
そして、またの名を、「五月晴れ」ともいいます。
…と書くと、「え? ウソでしょ?」と思う人もいるかもしれませんね。
五月晴れといえば、梅雨入り前の5月の気持ちの良い晴れの日を指すものだと思っている人が多いはずです。
実は、「五月晴れ」の「五月」とは旧暦の5月のこと。すなわち、今の暦では6月にあたるため、五月晴れはもともと梅雨の中休みのことを指す言葉だったのです。
しかし、最近では今の暦の5月の晴れのことを指すように使われることも多くなってきています。
では、梅雨の中休みはなぜ起こるのでしょうか。
先日「入梅」の記事で、梅雨前線は南北のふたつの高気圧がぶつかることで発生すると説明しました。
ふたつの高気圧は日によって勢力が違うため、境目にある梅雨前線は日によって北に行ったり南に行ったりします。
雨はあくまで梅雨前線のあるところで降るので、前線から離れた場所では晴れるのです。
五月晴れにもふたつのタイプがあり、北の高気圧の勢力が強いときは梅雨前線が南下するので前線の北側がカラッとした初夏の空気で覆われます。その一方で、南の高気圧の勢力が強いときは梅雨前線が北上して、前線の南側が蒸し暑い夏の空気に覆われます。
この、高気圧同士の力関係は予報をするのが難しく、「雨だと予報されていたのに晴れた」ということがよくあります。梅雨時は天気予報が当たりにくい時期でもあるのです。
そうそう、五月晴れの季節には「青時雨(あおしぐれ)」という季語があります。
こちらは、雨上がりに木からポタポタッと落ちる水滴のことをいいます。
実際に遭遇すると、「あれ? 雨降ってたっけ?」とびっくりしますよね。それをこんな素敵な言葉で表現するなんて。先人の感性って素敵だなあと思います。
雨の季節が長く続くと、そろそろ梅雨明けが待ち遠しくなってきます。
梅雨明けとは、南にある太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線が北上しきること。梅雨入りと同様、地方ごとに気象庁が発表します。
今年の梅雨明けはいったいいつになるのでしょうか。
今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
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