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花冷えはなびえ

季語 2020.04.23

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
桜前線が上昇する4月。皆さん今年の桜は愛でてきましたか?
花見の季節というのは、ぽかぽかの春らしい陽気が来たかと思うと、冷たい雨で凍えることも。

そんなことがあると、「暑さ寒さも彼岸までっていうんじゃなかったっけ!?」と毒づきたくなりますが、このような、立春を過ぎた後に冬のような寒さが戻ってくることを「寒の戻り」といいます。
特に、花見の季節の寒の戻りのことを「花冷え」といい、手紙を書く時の時候の挨拶にも使われます。

花冷えという言葉は、だいたい3月下旬~4月上旬に使われることが多いです。
寒の戻りはなかなか侮れず、まれにですが4月であっても雪が降ることがあります。
ちょうど2019年の4月10日にも東京都内で雪が降り、見ごろを迎えた桜と雪が同時に見られるという現象が起きました。
これでは、4月になってもダウンコートをクリーニングに出せそうにありませんね。

ここまで書くと、「この日に花冷えというテーマの記事が公開されたのはなぜ? タイミングが遅いんじゃないの?」思うかもしれません。
もちろん、この時期に桜が咲いている場所があることも理由のひとつですが、もうひとつは4月23日と24日が「寒の戻り」の特異日だからです。

特異日とは、なぜか毎年同じ現象が起きやすい日のことをいい、「晴れの特異日」や「台風の特異日」などがあります。
ちょうど今日、明日あたりは寒の戻りが起きやすい日なのです。

そうそう、「花冷え」ならぬ「リラ冷え」という言葉もあります。
こちらも寒の戻りを示す言葉ですが、北海道ならではの言葉です。北海道でリラ(ライラック)の花が咲く5月下旬ごろに寒の戻りが起きると、「リラ冷え」という言葉が使われるのです。

リラ冷えは、低気圧の通過ではなく、梅雨入り前に発生する冷たく湿った空気のオホーツク海高気圧のしわざです。

厚い上着は脱ぎ捨てたいものですが、そうは問屋が卸さない。薄着の季節が待ち遠しいものです。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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