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淡雪あわゆき

季語 2025.02.24

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こんにちは。気象予報士の今井明子です。
まだまだ寒い日が続きますが、太陽の光は明るくなり、花が咲き始めるところも増えてきます。
少しずつ春に向かっていることを実感する人も多いのではないでしょうか。

さて、今回のテーマである「淡雪」は、雪とついていますが、春の季語です。
春先にうっすら積もり、すぐに消えてしまう雪のことをいいます。
淡雪と同じ読みの言葉に「泡雪」というものもあります。こちらも淡雪とよく似ていますが、泡のように溶けやすい雪という意味合いが強いです。
まあ、雪国でない場所では、冬であっても雪が降ったらたいていはうっすら積もるか、積もってもすぐに消えてしまうわけですが…。

それでも、すでに植物が芽吹き、ときには花が咲いている中で少し雪が降り、うっすらと積もったあとにすぐに消えてしまう…という風景は春の雪ならではのものです。そして、この美しい風景は一瞬で消えてしまいます。そのはかなくも美しい風情を、言葉で表現したくなるのはわかる気がします。

ところで、ぼたん雪や綿雪のような、ふわふわと降ってくる大きな雪片の雪も淡雪といいます。ぼたん雪というのは、雪の結晶同士がくっつき、大きな塊となって降る雪です。ぼたん雪も気温の高いときに降る雪なので、まさに春に降りやすい雪といえるでしょう。

春先は、寒暖差が大きく、意外と雪が降るものです。近年では桜の開花が早まる傾向にありますが、まれに桜が咲いた後に雪が降ることもあります。せっかく暖かくなってきたのに、また寒くなるのは嫌なものですが、花と雪の組み合わせを見ると、それもまた一興なのかもしれません。

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今井明子

サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。

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