こんにちは。気象予報士の今井明子です。
どんよりと曇った日に、傘をさすほどではない細かい雨が降ることがあります。こんな雨は霧雨と呼ばれます。
霧雨は秋の季語ですが、降る季節は秋とは限りません。霧が秋の季語なので、霧雨も秋の季語になっているのでしょう。
霧雨は、気象庁の基準では、雨粒の直径が0.5mm未満のものをいいます。おもに、キリ雲とも呼ばれる、層雲から降ってきます。層雲は、もっとも低い場所にできる雲で、層雲が地面に接すると霧と呼ばれます。
雨は雲を構成する小さな水の粒がまわりの水蒸気を取り込んで大きくなったものです。水の粒が大きくなると、上昇気流で浮かんでいられなくなり、落下します。このときにまわりの雲粒をくっつけてさらに大きくなります。積乱雲のように背の高い雲のてっぺんあたりから雨粒が落下すれば、それだけ多くの水滴をくっつけて落ちてくるので大きな雨粒になります。その一方で、低いところにできる層雲からだと、雨粒は落下距離が短いため、あまり大きくなりません。それで小さな粒の霧雨が降るのです。
天気予報の降水確率は、1mm以上の雨が降る確率です。ここでの1mmとは直径ではなく、降った雨がどこにも流れ去らずにそのまま溜まった場合の水の深さのことをいいます。と、こう書いてもピンとこないと思うのですが、要するに1mm以上の雨というのは傘が必要なくらいの雨です。
そう考えると、霧雨が降っている場合は、短時間なら傘は特に必要はないので、1mm未満の雨といえます。つまり、天気予報で降水確率がたとえ0%といわれていても、空がどんよりと低く垂れこめていれば、ポツポツの雨か霧雨が降っているかもしれません。長時間外に出なければいけない時には、しっとりと濡れてしまうので、空模様を見て折り畳み傘を持ち歩いておくと安心です。

今井明子
サイエンスライター・気象予報士
兵庫県出身、神奈川県在住。好きな季節はアウトドア・行楽シーズンまっさかりの初夏。大学時代はフィギュアスケート部に所属。鯉のいる池やレトロ建築をめぐって旅行・散歩するのが好き。
