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五月富士さつきふじ

季語 2026.06.20

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

旧暦の五月頃になると、冬の間に深くかぶっていた雪もほとんど溶け去り、徐々に色濃くなる木々の緑と、青空に映える勇壮な富士山の姿を見ることができます。今回ご紹介する「五月富士」という言葉は、暦で言うと初夏である「仲夏」の季語として親しまれており、「皐月富士」と表記されることもあります。

「仲夏」は現代の暦に置き換えると6月上旬から7月上旬ごろなので、「五月」といっても実際には夏の半ばの季節。
身近な樹木の緑はどんどん濃くなり、遠くの山々は青みがかった深い色をして見え、景色自体がはっきりとした色彩を見せてくれるようになる頃ですね。

かの松尾芭蕉も、この「五月富士」を題材に「目にかかる時やことさら五月富士」という一句を詠んでいます。
「偶然目に入ったその瞬間だからこそ、ことさらに美しく感じられるものだ、この五月富士は」といった意味になるのですが、たしかに富士山はなぜかどんな姿であっても、目に入った瞬間「ああ、富士山だ……!」と不思議な感動を覚える気がします。

日本人にとっての富士山は、やはりどんな時であっても特別な山で、その姿に対して感じる想いも特別なものがあるに違いありません。

また、富士山は特に季節ごとの姿の変化や、異なる場所からの眺めの違いなどもあって、私たちに多様な姿を見せてくれます。
人によってその好みもさまざまあるものでしょうが、五月富士は私たちに、夏ならではの爽やかさと元気を分けてくれるような気がします。

山も、その瞬間にその場所で生きている、たくさんの命の集合体。
きっと、一度として同じ姿であることはないのだと思いますが、自分の心の中で親しみのある富士山の姿は、それぞれにイメージできるのではないでしょうか。
皆さんの好きな富士山は、いつ、どこから見る富士山でしょうか?
心のアルバムに残る富士山の姿について、ぜひ思い返してみてください。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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