日本の暮らしをそっと彩る季節飾り
新商品の「暦生活の季節飾り」。職人さんがひとつひとつ丁寧に手づくりした、ガラス細工の小さな季節飾りが日本の暮らしをそっと彩ってくれます。第一弾は馴染みの深い「ひなまつり」です。この記事では、ひなまつりの行事紹介を交えながら、商品づくりの裏側をご紹介いたします。
ひなまつりのはじまり
ひなまつりは女の子の健やかな成長を願う行事で、古代中国から伝わる「五節句」が由来として有力です。
五節句とは1月7日の「人日(七草がゆ)」、3月3日の「上巳(桃の節句)」、5月5日の「端午(菖蒲の節句)」、7月7日の「七夕(星祭)」、9月9日の「重陽(菊の節句)」のこと。
季節の変わり目に邪気をはらい、無病息災を祈る年中行事です。
上巳の節句は桃の節句としても親しまれています。

企画のはじまり
「暦生活の季節飾り」のはじまりは、昨年の夏に実施した『暦生活の七夕2024「みんなの願いが叶いますように」』のお客様アンケートがきっかけです。
というお客様のお声を頂戴し、ちょっとした場所にも置きやすく、インテリアに馴染む商品が作れないかと考えました。
ガラス製であれば比較的インテリアに馴染みやすく、美しく透き通る光もお楽しみいただけると思い、今回は「ミニチュアガラス」で季節飾りを作ることとなりました。


デザイン案の作成
ミニチュアガラスは3〜5cm程度の大きさで、ひとつひとつ職人さんが手づくりされます。
今回はガラスの特性を活かした、丸みを帯びた可愛らしい形で、安定感のある見た目にしたいと考えました。
まずは平面の実寸のイメージ案を作成し、複数のデザイン案を製造先の方に確認していただきます。

紙粘土見本の作成
実現できる形状の中からある程度デザインを絞り込んだら、紙粘土見本の制作です。
商品開発担当者自らが紙粘土見本を制作することで、全体のバランスイメージやより細かなニュアンスを職人さんへ伝えることができます。
とはいえ、担当者は紙粘土初心者。
ミリ単位の細かなパーツを作る必要もあったため、小さな世界で表現をする難しさを実感しました。
紙粘土見本が完成すると、職人さんがガラスでサンプルを作ってくださいます。

サンプルチェック
ミニチュアガラスのサンプル作りは重要な工程かつ、見本を再現する力量が必要なため、トップクラスの職人さんにしかできないそう。
今回は初めてのガラス商品ということで、色味違いや形状違いなど数パターンを制作いただきました。
仕上がったサンプルはパーツのバランスや全体の色味、耐久性など様々な視点から確認します。

商品の完成
そうして選ばれたものが、みなさまのお手元に届く商品の見本となっています。
今回は優雅な佇まいのおだいりさま(男雛)とおひなさま(女雛)をセットでお届けいたします。
衣の色が下から上にグラデーションになるように制作し、小物パーツも上品な仕上がりになるよう調整しました。
透き通る光の美しさやキラキラとした輝きは、実物を見なければわからない部分も多いです。
ぜひお手に取ってご覧いただけますと幸いです。



ひな人形を飾る理由
平安時代には「上巳の祓い」という、陰陽師にお祓いをさせた後、紙人形で身体を撫でてよくないものを移し、それを川に流すことで心身を清める行事が貴族を中心に行われていたようです。
江戸時代になるとそれが庶民にも広まり、現代のひな人形へと変化していきます。雛人形を飾ることで子どもに降りかかる邪気を祓い、健やかな成長を祈るようになりました。

ひな人形はいつ飾ればいいの?
明確な決まりはありませんが、一般的に一夜飾りは縁起が悪く、立春から二月中旬頃までに飾るのが良いとされ、特に縁起が良くお祝いごとに相応しい大安や友引は雛人形を飾るのにぴったりです。一部の地域では雨水に飾ると良縁に繋がるといわれます。
ひな人形は、女の子が無事に成長したらその役目を果たしたことになるので、神社やお寺で供養するのが良いそうです。
ですが、願いが満願になるタイミングにも明確な基準はなく、結婚して家を出ても、いくつになっても、ひな人形は飾って良いのだそう。
季節行事を楽しみたい方はもちろん、お子様やお孫様が巣立たれた方にも楽しんでいただけますと嬉しいです。