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山の日

暦とならわし 2020.08.10

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

2020年の8月10日は「山の日」という、国民の祝日のひとつです。
本来、この「山の日」は8月11日が正式に定められた日。
2020年に予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症の影響で2021年に延期となった東京五輪の閉会式に合わせるために、少なくともこの2年間は日付が8月10日に変更されることになりそうです。

そもそも「山の日」は2014年に制定され、実際に施行されたのは2016年のこと。祝日の中でも比較的歴史が浅い日ではありますが、新しい祝日の誕生は1996年から始まった「海の日」以来、20年ぶりのことでした。

日本は、海だけでなく山の恵みも豊かな国ですから「海の日があるなら、対のような存在で山の日があっていいはず」と感じた方も多かったのだと思います。
きっかけはそのような声から始まり、山岳団体などの働きかけもあって、最終的には夏山シーズン中でもある8月11日が「山の日」と定められるに至りました。

8月11日という日付に、山にまつわる深い根拠があるわけではないのですが、その意味は「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされています。
「山の恩恵に感謝する」という観点から考えますと、自然の恵みに対する感謝の心を受け継いできた「神道」という宗教文化は、このような祝日にこそ想いを馳せてみると良いものかもしれません。

日本には八百万(やおよろず)の神様がお祀りされていますが、もちろん「山の神様」と呼ばれる存在も数多く存在しています。
今回は、その中でも特に有名な「大山祇神/大山津見神(おおやまづみのかみ)」という山の神様をご紹介したいと思います。

「山の神様」と言っても、そのくくりには各地域で様々な要素が含まれてきました。たとえば、山の周辺に暮らす人々にとっては炭焼きや木地や鉱山や鍛冶の守り神であり、さらに祖霊として大切にする存在でもあります。
また、山のふもとの里に暮らす人々にとっても、山から下りて来てその恩恵を授けてくださる「穀霊(こくれい=田んぼの神様)」という形での祀りがあります。

「大山祇神」という神様の名前も「偉大な山の神霊」という意味があり、ひとえには捉えることが難しい「山の神様」の、総元締のような存在と言ってもいいかもしれません。

しかもこの「大山祇神」は、山だけにとどまらず「海の神様」「酒造の神様」としての顔もある万能ぶりのため、山海を司る有力な神様として、日本の各地で厚い信仰が受け継がれてきました。
そのため、御神徳も農産・山林・鉱山業の守護、漁業・航海の守護、商売繁盛、商工業の発展、厄除けなどと大変幅広いものがあります。

私たちも、山からは本当に数えきれないほどの恩恵を授かっていますよね。日常の中でも、樹木から生まれた木材を使った家具や紙類などをたくさん使わせていただいていますし、きのこや山菜や木の実など、口にしている山の食材も数限りありません。

便利な世の中になるにつれて、身近に溢れている多くのものが「自然からいただいた恩恵のひとつ」であることを、ついつい忘れてしまうこともあるかもしれません。
でも、この「山の日」のような自然にちなんだ日にこそ、その恵みのありがたさを改めて思い出してみませんか?

いただいている恩恵のかけがえなさを思い出せば、きっとそれらを汚すことなく大切にしてゆくことも、私たちは心がけることができるはずですから……。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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