暑中お見舞い申し上げます。
例年とはずいぶん様子の違う夏を、みなさんいかがお過ごしですか?
こんにちは。僧侶でライターの小島杏子です。
今回は、少し気の早い「暑中お見舞い」の挨拶から始めてみました。というのも、今日6月15日は暑中見舞いの日なのです。
ちょうど70年前の今日、昭和25(1950)年6月15日に郵便局で初めて暑中見舞いはがきが発売されました。それにちなんで、毎年6月15日は「暑中見舞いの日」となったのです。
現在では、6月1日からかもめ~ると呼ばれるくじ付きの夏限定はがきが発売されています。少しずつ夏の気配が濃くなるこの時期、朝顔やうちわの模様が描かれたはがきを見かけるようになると「今年も暑くなるんだろうな」と、これから始まる季節のことを思います。
……とはいえ、今はまだ6月。暑中見舞い用はがきは既に発売されているものの、実際に暑中見舞いを出すのには少し早いですよね。今のような梅雨の時期には梅雨見舞いという習慣も、あるにはあるようですが。
では暑中見舞いはがきを出す時期はいつからいつまででしょう。これは、だいたい梅雨明けから立秋の前日(8/6頃)までに出すのが習わしになっています。

暦のうえで「暑中」というと、立秋前日までの「土用の18日間」のことを指します。そのためか、暑中見舞いには土用見舞いという別名もあります。
けれど、現在では土用の18日間よりももう少し長い期間が、暑中見舞いの季節とされています。梅雨が明けるころ、二十四節気でいえば小暑のころから立秋前日までのだいたい1ヶ月間(7/6~8/6頃)がそれにあたります。そして、立秋を過ぎたら、暑中見舞いではなく残暑見舞いとして送ります。

もともと暑中見舞いとは、手紙での挨拶に限ったものではありません。夏の暑い盛りに、知人や友人など大切な人を訪問すること、また遠方の場合には手紙を出して様子を伺うことをふくめて、いわゆる暑中見舞いと呼んだのです。
明治・大正期の文豪、森鴎外の短編『鶏』には、8月の日曜日に暑中見舞いの客がたくさん訪れるという描写があります。
そんな暑中見舞いの習慣も、やがて郵便制度の発達とともに、遠近関わらず手紙やはがきでの挨拶が一般化していきました。

暑中見舞いはがきが初めて発売された70年前と比べると、夏の暑さもずいぶん変わったのだろうと思います。65歳を過ぎたうちの父親は、「昔の夏は気温30度を超えたら、これは大変!と大騒ぎだったのに、今は30度なんて当たり前じゃないか……」と、毎年同じ愚痴をつぶやきながらうなだれています。
しかもこの夏は、暑いばかりではなく、会いたい人と今まで通り気軽に会うことが難しい状況に置かれている方も多いのではないでしょうか。そんな「今」だからこそ、改めて暑中見舞いのメッセージを送ってみるのも悪くない。
手紙を書く理由なんて、「暑いから、あなたにはがきでも送ろうと思った」で十分だと思います。
私も、今年は久しぶりに暑中見舞いを誰かに送るつもりです。

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