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夏めく

暦とならわし 2022.05.07

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こんにちは、こんばんは。
ライターの栗田真希です。

いやあ、夏めいてきましたね。春のうららかな陽気のなかに、夏らしい兆しを感じている人も多いはず。ささやかに気候が変われば、人々の様子も影響を受けて変わり、「夏」が身近になってきます。まるで季節というわずかな段差の階段を、暦とともに日々着実に上っているよう。

「あ、もう夏めいている」と気づくのは、どんなときでしょう。

羽織っていたスプリングコートを脱いで、身軽になったとき。若葉の色がすこし濃くなってきたと気づいたとき。ちょっと日差しが強く、空を見上げて目を眇めたとき。あざやかに咲くツツジの花が、焼け爛れるように枯れはじめているのを見たとき。

ささやかなサインがいくつも身のまわりできらめいて、確かに夏に近づいているのだと教えてくれます。

わたしは例年だとこの時期、夏の本番の暑さに思いを馳せて「もうしばらく春が続いてもいいんだけどな」なんて考えてしまうのですが、今年は違います。

つい先日、友だちがすてきな麦わら帽子をプレゼントしてくれたのです。

家でラッピングされた袋から取り出し、姿見の前で、長袖のままで麦わら帽子をかぶってみました。気候の変化からではない、自分の気持ちが夏めく瞬間の到来です。ざっくり編まれた麦わらの隙間から、夏の日差しを見上げるシーンを想像して、どきどきしました。

今年はわたし、すでに夏めいています。

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栗田真希

ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。

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