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春の大三角

月と星 2022.04.01

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こんにちは。星空案内人の木原です。

今日から4月。年度初めの月として、新しい出会いが増えるタイミングですね。仕事帰りに見上げる宙は、冬の星座たちが西に傾き、東の空から春の星座たちが昇ってくる春模様の宙になってきました。冬の星空は明るい星が多い一方で、春の星空はぼんやりと柔らかな雰囲気を持っています。

煌びやかな冬の星座たちに別れを告げ、新しく主役となる春の星座たちが東から姿を現してきているのですが「春の星座ってどれ?」となる人も多いかもしれません。冬の星空はオリオン座のように分かりやすい星座があるので、それを目印に他の星座や星を探すことができるのですが、春の星空にはくっきり目立つ星座がありません。その代わりに3つの明るい春の星を結んだ春の大三角を目印に星座探しをすることができます。今日は、春の星空散策には欠かせない、春の大三角の紹介です。

21時頃、東の宙を見上げると、ほんのりオレンジ色に見える明るい星が見つかります。その星の名前はアークトゥルス。うしかい座に属し、和名では金星(きんぼし)や麦星と呼ばれています。

アークトゥルスを見つけたら、南のほうに少し目線を動かすと白く明るく輝く星が1つポツンと輝いています。宙の少し低いところで輝いているため見つかりにくいかもしれませんが、アークトゥルスに負けないくらい明るいので焦らず探してみてください。この星の名前はスピカ。おとめ座の星で、銀星や真珠星という和名があります。アークトゥルスの星の色と対比して表現されることが多い綺麗な星です。

写真提供:木原美智子

アークトゥルスとスピカの2つを結んで三角形の1辺が作れます。その辺から宙の高いほうへ目線を上げると黄色っぽい星が見つかります。その星の名前はデネボラ。しし座のしっぽの位置に光る星です。このデネボラを三角形の頂点にして線を結ぶと春の大三角の完成です。

アークトゥルス、スピカ、デネボラの3つを結んでできる春の大三角。春の大三角を見つければ、同時に3つの春の星座の位置も覚えたことになります。たった3つ?と思うかもしれませんが、無数にある星の中から3つの星を選定して、その名前と星座を言えることは素晴らしい特殊能力だと私は思います。星に限らず、多種多様な植物や生き物の中から特定のモノの名前や特徴を言えることはすごいですよね。

今日は新しい年度の始まりの日。新しい趣味として星の名前や星座を覚えてみるのはいかがでしょうか。

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木原美智子

星空案内人
広島県出身。瀬戸内の宙を見て育ちました。好きな季節は、コスモスが咲き、凜とした空気が漂う秋。宙を見上げるのが好きなので、星だけじゃなく宙にあるもの、宙に関わる文化に興味があります。ペンギンと野球も好き。

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