こんにちは。星空案内人の木原です。
地上が寒さに震え、それが宙まで伝わって冷たく凍ってしまいそうな厳しい寒さの時期になりました。宙では冬の星たちが寒さに負けまいと輝いています。華やかな冬の星座たちの中から、今回はふたご座についてのお話です。

ふたご座のモデルとなったのは、ギリシャ神話に登場するカストルとポルックス。彼らの両親は人間のレダと神様のゼウスでした。その二人が出会ったエピソードは、夏の星座のはくちょう座の神話に登場するので、こちらも合わせて読んでみてくださいね。
さて、レダとゼウスの間に産まれた双子の兄カストルと弟ポルックスは、勇敢な戦士として活躍します。2人は一緒に各戦地で功績をあげ、有名な英雄として知られていました。
ある時、2人は因縁のライバルであるイダスとリンケウスと戦うことになります。苦戦しながらも勝利を収めることができたのですが、戦いの途中にカストルが流れ矢に当たり、命を落としてしまいます。

兄の死を嘆くポルックス。これまで2人で一緒に様々な困難を乗り越えてきただけに、深く嘆き悲しみ、兄の死を受け入れることができませんでした。いっそのこと一緒に死んでしまいたい、と考えましたが、戦い中に致命的な攻撃を受けても死ぬことだけはできません。ここで初めてポルックスは、自分は兄と異なって不死身であることに気付きます。人間の母親と神の父親の間に産まれたことによって、兄は人間の性質を、自分は神の能力をもち、ずっと一緒だった2人は異なる存在であったことを知ったのです。
ポルックスは父親であるゼウスに、自分の命と引き換えに兄を生き返らせてほしいと願います。ゼウスはその願いを拒みましたが、兄想いの姿に心打たれ、ポルックスもカストルと同じように星空にあげ、ふたご座として永遠に一緒に過ごせるようにしたのでした。
映画が1本出来てしまいそうなほどの双子のストーリー。冬の宙に輝くふたご座を見つけるたびに、兄弟の深い愛を感じます。

カストルとポルックスの2つの星を見比べると、兄カストルのほうが若干暗く見えます。それでも2つの星の明るさの違いは大きくないため、ギリシャ神話だけでなく世界各地でこの2つの星はペアで捉えられていました。日本では、2つの星を「ネコの目」「カニの目」など夜空に輝く生き物の目として親しんでいたところもあるそうです。
2つで1つ。皆さんならふたご座の2つの星に何を思い描きますか。
写真提供:木原美智子
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