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魚上氷うおこおりをいずる

二十四節気と七十二候 2020.02.16

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こんにちは。暦生活編集部です。
今日は、七十二候の「魚上氷(うおこおりをいずる)」という季節についてのお話です。

2月14日から2月18日は七十二候の「魚上氷」。少しずつあたたかくなり、冬の間に凍っていた川や湖の氷が割れ、泳いでいた魚が跳ね上がるころ。氷が割れて、そこから魚が出てくる…。普段の暮らしの中ではあまり見かけることのない光景ですが、すぐそこまで来ている春の気配をひしひしと感じられるいい季節ですね。

2月からしだいに渓流釣りが解禁され、待ちわびた釣り人が竿を片手に川へ出かけていきます。イワナやヤマメ、アマゴなど、春を代表する川魚を釣り上げるのは、季節の楽しみのひとつ。これらの魚は、昔から住んでいる日本在来の渓流魚で、日本人とともに生きてきました。

漢字で書くと岩魚、山女魚、天魚。なんだか漢字が面白い。少し興味が湧いてきたので、イワナ、ヤマメ、アマゴについて調べてみました。

まずはイワナ。漢字では「岩魚」と書きます。
渓流の岩にひそむ魚という意味で、岩魚。
生息する環境によっても異なるそうですが、白と橙色の斑点があるのが特徴で、全長は30cm前後、大きいものは60cmほどに成長するそうです。けっこう大きいんですね!川魚って勝手に小さいイメージを持っていたので驚きました。どうやら冷たい水域を好むようで、川の上流域から源流域にかけて生息しているみたいです。神経質だけど食には貪欲。ときにヘビやトカゲまで食べます。塩焼きや唐揚げはもちろん、釣ったばかりのものは刺身にしても美味しいそう。

岩魚 イワナ

次にヤマメ。漢字では「山女魚」と書きます。
女性のように美しいという意味から、山女魚と書くそうです。緑豊かな川に生息し、その美しさから「渓流の女王」という素敵な呼び名もあります。そのほとんどが20cmほどの大きさですが、中には70cmまで育つ個体もあるのだとか。大きすぎますね…。70cmのヤマメ、実際に見るとちょっと怖いかもしれません。ちなみに、ヤマメは海に出るか出ないかで名前が変わり、海に出ずに川に残るものをヤマメ、海に出て産卵時に川に戻ってくるものをサクラマスと呼びます。

山女魚 ヤマメ

最後にアマゴ。漢字では「天魚」「雨魚」「甘子」と書き、雨がちな梅雨や初夏によく釣れる魚ということでこの漢字があてられています。
また、甘い(美味しい)魚ということで、甘子とも。姿形はヤマメと似ていますが、アマゴには赤い斑点があり、それで見分けることができます。ヤマメと一緒で、川にとどまるものをアマゴ、海に出ていくものをサツキマスと呼びます。アマゴに限らずですが、もともとその川に住んでいた天然魚は由来の分からない魚の放流や生息環境の悪化などにより、少しずつ減少しているそうです。

天魚 アマゴ

古くから日本人とともに生きてきた渓流魚たち。

今では貴重な存在になりつつあります。自分にできることが限られているけれど、これから先も、綺麗な川の中でいつまでも美しく生きていて欲しい。そんな風に思いました。

※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。

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暦生活編集部

日本の季節を楽しむ暮らし「暦生活」。暮らしのなかにある、季節の行事や旬のものを学びながら、毎日お届けしています。日常の季節感を切り取る #暦生活写真部 での投稿も募集中。暦生活の輪を少しずつ広げていきたいと思います。

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