こんにちは。暦生活編集部です。
今日は七十二候の「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)についてのお話です。
吹く風は日々冷たくなり、ますます冬であることを実感するようになりました。換気のために窓を開けると、ひやりとした風に少し身震いするけれど、心のわだかまりを浄化してくれるような気がして、束の間心が休まります。
先日、人の少ない場所を選び紅葉を見に出かけましたが、風に吹かれ地面に落ちた落ち葉で、赤朽葉色(あかくちばいろ)の絨毯ができていました。秋らしさを残していた景色も、しだいに冬のものに変わっていくのですね。
日本には1年を72の季節に分けた七十二候(しちじゅうにこう)がありますが、その中のひとつ、「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう)は北風が勢いよく吹き、木の葉を吹き飛ばす頃。毎年、11月27日から12月1日頃に訪れる季節です。
「朔風」の「朔」は北という意味で、朔風は北風のことです。
北風に葉を飛ばされ裸になった木々は冬木立(ふゆこだち)といい、いかにも冬らしくて寒々しい印象です。でも、木々から伸びる美しい枝の形がはっきりと分かる、この季節ならではの冬景色でもあります。葉で覆われていたときには見えなかった枝々を観察してみるのも楽しいですね。
北風に吹かれた木の葉をあらわす言葉に、「木の葉雨」や「木の葉時雨」があります。どちらもとても風情豊かな美しい言葉ですが、葉が舞い散る様子やその音から、そのように呼ばれます。北風が吹くと「寒いなあ。」で終わってしまいそうなものですが、この言葉を作った方々が、いかに自然との対話を大切にしていたかが感じられますね。
もうそろそろ11月も終わり。方々からクリスマスソングが聞こえてくる季節になりました。そろそろ年賀状の準備をしなくちゃ。おせちはどうしようか?そんなことが頭に浮かんできます。本当に、1年は早いですね。
今年は世界が一変した年になり、いろいろなものが目まぐるしく変わりつづけています。そんな中ですが、私は季節を感じる一瞬一瞬を大切に、残りあとひと月ほどになった2020年を大切に生きたいなと思いました。
※七十二候(しちじゅうにこう)は、日本の1年を72等分し、季節それぞれのできごとをそのまま名前にした、約5日ごとに移ろう細やかな季節です。
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