こんにちは。暦生活編集部です。
今日は二十四節気の「大雪(たいせつ)」についてのお話です。
2020年のカレンダーものこり1枚となり、いよいよ年の終わりを意識する季節になりました。朝に見上げる空は相変わらず澄んでいて、うっかり沈みそこねたような月は優しげな様子で見守ってくれているよう。朝の空は、日常の忙しさを束の間忘れさせてくれるような気がしています。
この時期の朝空が好きで、昨年まではほぼ毎日写真に撮っていましたが、今年は自分の眼で見て、美しい空を身体に染み渡らせたいと思うようになりました。
この1年、やっぱりわたしにも、なにか変化があったのかもしれません。
寒さが厳しくなるにつれ、季節はまためぐってゆきます。二十四節気は今日から大雪(たいせつ)になりました。その名の通り、雪が降り積もり、本格的な冬の到来が目に見えてわかる季節です。毎年、大雪になると今年ものこり少しなんだなあと感じます。
冬の代名詞のような雪には、たくさんの美しい名前がつけられています。雪の状態によって、「細雪(ささめゆき)」「粉雪(こなゆき)」「泡雪(あわゆき)」。枝や葉につもった雪は「雪持ち(ゆきもち)」、木の枝からすべり落ちる雪を「垂雪(しずりゆき)」などなど。
日本語って綺麗ですね。こういう「呼び名」にはなんだかいつも心惹かれて、ついつい調べてしまいます。昔の人の遊び心が見えるというか、体温を感じるような気がします。
雪にまつわる魅力的な言葉に、雪見(ゆきみ)というものがあります。
降る雪や雪景色を眺め楽しむ古くからあるならわしで、江戸時代に活躍した浮世絵師・歌川国芳の『雪見舟図』などに、当時の雪見の様子が描かれています。そこは、見渡す限り一面の銀世界。わたしも、冬の日に雪が降っているのを見ると子どものように内心はしゃいでしまいますが、昔の人たちもきっと同じだったのでしょうね。
他にも、湯につかりながら雪景色を楽しむ雪見風呂、雪を見ながらお酒を楽しむ雪見酒、庭に積もる雪を楽しむ雪見障子など、どの言葉からも雪がもたらしてくれる静寂なひと時を楽しむ様子が伝わってきます。
そういえば、日本は世界から見ても有数の雪国なのだそうです。
平安時代にはすでに楽しまれていた雪合戦に、日本が発祥といわれるかまくら、子どもたちが夢中でつくる雪だるま。日本人は昔から、雪を日々の暮らしをつくる要素のひとつとして、自然に付き合ってきたのですね。
これからやってくる「雪の季節」。
大変な地域もあるなか少し無責任かもしれませんが、わたしは楽しみになってきました。
※二十四節気(にじゅうしせっき)は、日本の1年を24等分し、立春からはじまり大寒で締めくくられる、約15日ごとに移ろう細やかな季節です。
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