作った腕カバーで、張り切って
穀雨とは、百穀を潤す春の雨。降る雨は大地に浸み込み、田畑に蒔かれた種が育つのを助けます。この雨は長く続くこともあって、春の長雨、すなわち菜種梅雨の季節でもありますね。
気がつけば、穀雨は早くも春の最後となる二十四節気。今まさに爛熟する春を、存分に感じ取りたいものです。
それにしても、いい季節。気温が上がってきて、暑くもなく寒くもなく、心地よく過ごせるようになりました。そのせいか、体も不思議なほどよく動きます。こういう時は、行動あるのみ。
家の片付けや庭の手入れにも気合が入ります。外の掃き掃除に、家の中では窓や床の拭き掃除も張り切って。大きなゴミも出してしまえ。やる気がみなぎってきます。

そんな作業をする時に、さらに気持ちを盛り上げてくれるのが腕カバー。エプロンや手袋も、ここぞという仕事をする場合には、いいサポートをしてくれるものですね。画廊のオーナーが、「搬入の時に白手袋をすると、万能感を得られるの」と言っていたことを思い出します。
おなかのベルトをぐいっと締めると怪力が出る少年は、昔々のアメリカ製テレビアニメでしたが、装着すると実力以上の働きができるのは、ベルトだけではないはずです。怪力とはいかないまでも、腕カバーだってベルトに負けず、いい力を発揮する助けはしてくれるでしょう。
腕カバーをスチャッとはめると働きモードに。庭では草取りに植え込みに、袖口が汚れることを気にせずに作業できます。家の中でも掃除で雑巾を絞るときや、仕事で絵具を使うときも、邪魔になる袖がない分、より快適です。

そんな腕カバーを、作ってみます。いままで、いろいろな種類の布地で作りました。真っ白な晒や絹の縮緬、暖かでいいかな、と思ってキルティング地も使ってみました。が、一番いいのは、薄手コットンの平織り地。晒だと少々滑りが悪く、縮緬だとやわらかでいいけれど、強度と洗濯に難あり。キルティングはさすがにモコモコして使い勝手が悪かった。薄手のコットンは、なめらかで丈夫で、しかも繰り返しの洗濯にも耐えます。


布地と細めの平ゴムを用意したら、即、縫い方開始。手作り腕カバーができたら、張り切って、作業に取り組みます。さあ、仕事の捗りやいかに? 暑い夏が来るまでに、完了できますように。

平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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