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手づくり二十四節気「啓蟄(けいちつ)」

二十四節気と七十二候 2021.03.05

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日に日に空気が、そして大地が温んできた実感があります。啓蟄は、大地の温かさを感じて、冬のあいだ地中にこもっていた虫たちが地上に出てくるころ。おはよう、春だよ。起きておいでよ。

冬眠する虫や動物だけではなく、人もまた春を迎えて目が覚める感覚があります。寒いとどうしても体も行動も縮こまりがち。お部屋でぬくぬくしているのが心地良くて、なかなか外へ出られませんでした。
が、春の声を聞くとなぜかムズムズ、家の中でこうしてはいられない、と表へ飛び出して行きたくなる気分になるから不思議です。

近所の散歩をしても、思わぬところから緑の草の芽を見つけたり、小鳥たちがうれしそうに鳴いていたり。春だねえ、よかったねえ。と思わず声をかけたくなります。

ところで、我が家では二種類の日めくりを使っています。一つは日本製、もう一つは中国の日めくりです。日本の暦の先輩ともいえる中国ですから、日めくりもまた面白い。二十四節気の初日は、全面に大きく絵が入っています。
啓蟄には、カエルが二匹仲良く並んで描かれて、その背後には稲妻が。啓蟄は、春雷の季節でもあるのですね。

啓蟄の象徴ともいえるカエルさん。中国では、カエル、とくにガマガエルは卵をたくさん産むので、子孫繁栄、家の守神と考えられているそうです。そのガマガエルを、赤い紙を使って切り抜きます。切り抜いた紙は、窓ガラスに貼ったり、白い紙に貼り付けて栞にしたり。ノートの表紙に貼っても、きれいでしかもいいお守りになりそうです。

中国では、赤い紙を切り抜いて窓ガラスに貼る習慣があります。その紙のことを「窓花」と呼ぶそうです。春の日差しが注ぐ窓にガマガエルさんがいて、家を守ってくれる。なかなか心強いではありませんか。いい春の日々を過ごせそうです。

ただ、今回はカエルの苦手な方には申し訳ありませんでした。お花や桃を切り抜いてみてくださいね。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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