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手づくり二十四節気「大寒(だいかん)」

二十四節気と七十二候 2022.01.20

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寒仕込みで塩麹を

寒さの極、大寒です。
寒仕込みに寒稽古、気温の低さや冷たい水を利用して、食べ物の仕込みや心身の鍛錬をする寒中。寒中水泳など、想像しただけで震え上がりますが、経験した人から聞くと、冷たい水の中で泳いだあとは、体がポカポカとしてくるのだそうです。やはり体にいい効果がなにかあるのですね。

我が身を省みると、毎年寒中にするのは味噌仕込み。思えばもう、かれこれ三十年以上続けています。大寒の一日を選んで、一人で使う一年分の味噌を仕込みます。

使う材料は、大豆1キロに米麹、麦麹、それに粗塩。いつも同じお店に注文しますが、このとき少し多めに頼みます。それというのも、お味噌と同時に塩麹も作りたいから。

味噌仕込みはシンプルとはいえ、大豆を柔らかく煮なければならないのでそれなりに時間がかかります。が、塩麹は麹と塩と水を混ぜるだけ。味噌は仕込んでから半年は寝かせて発酵させなければならないところ、塩麹なら長くて二週間でできあがります。

この塩麹、簡単なうえに重宝この上ない調味料です。我が家の万能調味料として、毎日のように活躍しています。市販のものも売っていますが、一度自分で作ると、もう市販のものが使えなくなるほど。自然な味わいで飽きません。

普通は米麹で作りますが、麦麹を使った塩麹もまたいいですね。米と麦のブレンドでも作ります。違いがそれほどわからない味オンチですが、どちらも変わりなくおいしく使っています。

混ぜて寝かせるだけなので、ぜひ作ってみてください。気温の低い寒中に作れば、失敗する心配もありません。常温で寝かせて、ときどき様子を見ます。何日かに一度、くるっとかき混ぜてもいいでしょう。

寒仕込みで塩麹作りをマスターしたら、夏には夏バージョンで挑戦を。塩の割合を3~5割増しくらいにすればまず大丈夫。なるべく涼しい場所に置いて、冬よりも頻繁に様子を見てやるようにします。

塩麹を塩分として使う量の目安は、塩の約4倍。塩を小さじ半分使う場合は、塩麹だったら小さじ2杯使うとちょうどいい。ドレッシングを作るにも、スープやシチューの味付けをするにも、塩の代わりにじゃんじゃん塩麹を使います。どんな料理も味わい深く仕上がる、とっておきの調味料です。

そうこうしているうちに、大寒の節気が終わると、はや二十四節気は一年をぐるりと巡って立春になります。大寒は、二十四節気の最後を飾る節気なのですね。節分で豆撒きをしたら、また新しい暦が始まります。

また立春にお会いいたしましょう!
一年間「手づくり二十四節気」におつきあいただきまして、どうもありがとうございました。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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