白みつと黒みつをつくる
小暑となって、はや暑中ですね。まだ梅雨明けしていない地域も多いのですが、それでもじわりと厳しい暑さが迫っているのを実感します。
暑いときは、やはり冷たいおやつがいちばん。冷んやりツルリとした味わいが、涼を呼んでくれます。ゼリーに寒天、アイスクリーム。もう、頭に浮かべただけで顔がニンマリしてしまう。そんなおやつに、自分でつくったみつを使うのはどうでしょう。つくり方は簡単です。できあがったら、瓶に入れて冷蔵庫へ。いつでも使えて便利です。冷蔵庫に、自前の白みつ、黒みつがある幸せ。おススメです。
みつを自分でつくるようになったきっかけは、ちょっとお恥ずかしいことがきっかけでした。もうずいぶん前、まだ母が生きていた頃なので、20年ほど前のことでしょうか。暑い夏の日でした。その日は母の家にいて、寒天をつくって食べようとしたのですね。冷蔵庫に黒みつがあるよ、と母が言うので、いそいそと出してみたものの、どうも様子がおかしい。よくよく調べると、それはウナギの蒲焼のタレだったのでした。
たしかに黒みつとウナギのタレは見た目がよく似ている。同じような容器に入っているし、ラベルが貼られていないと間違える可能性は大。ああ恐ろしい。
これは危ないところだった。でも寒天にかけなくてよかった。ぎりぎりセーフ。で、黒みつどうすんの。となって、あわててお菓子作りの本をひっくり返して黒蜜のつくり方を見つけ、ヨロヨロとつくったのが初めてのことでした。
が、これは意外といいものだ、と気がつきました。夏は、焼き菓子を作るのはオーブンの火で部屋も暑くなるし、種もとろけてうまくいきません。暑いのが苦手な当方にとっては、夏の焼き菓子は難行苦行。で、いきおい冷たいおやつが多くなります。そこで、白みつ黒みつが活躍してくれるのですね。
今日は豆かん、明日はコーヒーゼリー。ともに材料の分量を覚えてしまうと手軽に作れます。コーヒーゼリーは、水600ccとインスタントコーヒー2杯、ゼラチンパウダー1袋を火にかけ溶かしてから冷蔵庫で冷やします。朝ごはんの片付けのついでにチョチョイとつくって冷蔵庫に入れておくと、午後のおやつに食べられるという寸法。
白と黒と、どちらも違う味わいです。今日はどっちを使おうかな。それを考えるのもまた小さな喜び。暑中見舞いを書きながら、冷たいおやつタイムを、ぜひ。
平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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