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手づくり二十四節気/白露はくろ

二十四節気と七十二候 2023.09.08

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掛け紙をつくる

9月にはいって、さて、残暑は少しずつでも収まってくるでしょうか。暦では白露、草に降りる露が白くなるころ、といかにも涼しそうですが。

気温はまだ夏を引きずっているものの、朝夕の風には秋を感じるようになりました。夏のソワソワと弾む心持ちからは、だいぶ落ち着いてきています。外へ外へと向く感覚から、部屋の中で静かに過ごす時間がこれから増えていくでしょう。

そんなとき、ちょっとまとめて贈り物用の掛け紙をつくるのもよさそうです。プレゼントというと、ラッピングにリボンが定番ですが、たまには大人っぽく、掛け紙を使うのはいかがでしょう。ラッピングだと、贈り物を全て包まなければならなくて大変です。きっちり包むのも難しいし、リボンをうまく結ぶのも、これまた大問題。

掛け紙なら、中身をわざと少し見せて掛けるので、簡単だし気が楽です。うしろでちょこっとテープで留めちゃいます。真ん中に赤いラインを引いて、あとは自由に。文字は自分で書いてもいいし、データで作るなら、文字も打っておくのも一案。いくつも使いそうな「お祝」「お礼」「お年賀」などはまとめてプリントしておくと、使いたい時にさっと使えて便利です。「お年賀」なんてまだまだ、と思っていると、お正月もこの分だとあっという間にきてしまいそうですものね。今のうちにつくっちゃいます。

データでつくってプリントするなら、プリンター用の和紙を使うと風合いのいい掛け紙ができあがります。自分で書くなら、奉書紙や、半紙を二重に使うのも素敵。いろいろな紙を使ってつくってみてください。赤い色鉛筆で線を引いてもいいし、赤い色紙を細く切って貼り付けると、厚みのある雰囲気に。

掛け紙には、文字を書いても書かなくても。また、これに手づくりの熨斗をつけるのもいいですね。赤い折り紙を小さな正方形に切って折るだけでも立派な熨斗に。贈り物としても、折り目正しい雰囲気になるでしょう。

とはいえ、この掛け紙はごくカジュアルな場面で気軽に使うのがいちばんです。手づくりの焼き菓子だけでなく、買ってきた袋菓子を渡すときも、掛け紙を一枚かけるだけで、ちょっと贈る気持ちがプラスされます。手づくりジャムの瓶も、お裾分けの海苔缶も、くるりと紙を巻けば少しだけ「おすまし」に。

この掛け紙、つくりだすといろいろアイデアが出てきて、あっという間に何パターンもできあがることでしょう。それを紙ばさみにまとめておけば、ちょっと友達になにか渡したい時にも、クルッとかけて持って行けます。

かんたん掛け紙、これからの秋の夜長に、オリジナルなアイデアであれこれつくってみてください。

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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