ヒヤシンスを水栽培する
大寒、寒さも極まっています。でも、この大寒の節を越えればいよいよ立春です。なんとか寒さを凌いで、暖をとって過ごしたいものです。
が、寒さの中にも楽しみを見出すことができます。球根の水栽培はいかがでしょう。子供の頃、学校でやってみたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。お部屋の中で水栽培、よいですね。
水栽培といえば、その代表はヒヤシンスです。球根の大きさもちょうどいいし、花期も長く、香りもいい。昨秋にヒヤシンスの球根をたくさんいただいたので、庭に地植えをするほかにも、水栽培をしようと思い立ちました。
水栽培用のボトルも3色持っていました。ずっと水栽培、したかったのです。他にも、マスタードやチリソース、またヨーグルトのガラス瓶なども使ってみました。瓶に水を入れて、球根を設置。球根の底が水に触れるくらいに加減します。
球根は、寒さの中で発芽する性質のものなので、部屋の中で育てるにも、あまり暖かな場所よりも、洗面所や玄関、暖房の当たらない窓辺などが適しています。洗面所には、3色の水栽培ボトルを置きました。朝起きて洗面をするときに、「おはよう」と声をかけます。少しずつ白い根を伸ばし、またてっぺんからは小さくピカッと光る芽をのぞかせてくれます。
根も芽もだんだん伸びて、そのうち蕾が出てくることでしょう。すぐそばで成長を見守ることができる水栽培。緑の少ないこの時季に、植物に親しむのにはもってこいです。立春を過ぎて、二月の末にはもう花が咲くかもしれません。これからさらに毎日楽しみです。開花まで、じっくりと成長を見届けたいと思っています。
皆様に親しんでいただいて参りました「手づくり二十四節気」も、この大寒で丸三年。二十四節気を三周したことになります。いったん、「手づくり」はこれにて終了です。長い間、お付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。
皆様から、実際に手づくりしていただいたり、その写真を送っていただいたり、それを拝見するのがとても楽しみで、また励みになりました。心よりお礼申し上げます。
次の立春からは、また違った内容で、二十四節気の記事でお目にかかりたいと思っています。変わらずに、どうぞお付き合いくださいませ。本当にありがとうございました。
平野恵理子
イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。
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