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花鳥でめぐる二十四節気/夏至げし

二十四節気と七十二候 2025.06.21

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◎夏至 6月21~7月6日  「アジサイとアカゲラ」

夏の真ん中、夏至です。一年のなかで昼間がいちばん長い日。翌日からは昼間の時間が少しずつ短くなります。9月の秋分には昼と夜の時間が同じとなって、さらに冬に向けて昼の時間は短くなり続けるのです。そして冬至が昼の時間が最も短い日となり、翌日からは春に向けて少しずつ長くなっていく、というその暦のめぐりが繰り返されます。

暦では、夏至と冬至が「二至」、春分と秋分が「二分」といって、一年を大きく四分割する重要な節気です。まとめて「二至二分」ともいいます。このことからも分かるように、二十四節気は太陽の運動をもとにつくられています。二十四の気候の推移を目指す基準点。

そんな、二十四節気の中でも重要な夏至。気候としては、梅雨も終わりに近づくころです。各地で大雨が降り、天気の荒れ模様が心配される時期でもあります。

梅雨の雨に濡れるアジサイの花がそこここで咲いています。アジサイは日本原産ですが、海を渡って品種改良が進み、里帰りしました。可憐なガクアジサイが薬玉のように大きな花をつけるようになったのです。

水無月、富士山、海峡、アナベル、ライムライトなど、多くの品種があり、園芸家の間では親しまれています。畑の畦や線路脇、また寺社の庭にも植栽されて、夏至のころがまさに見ごろ。

アジサイが咲く上方では、木の幹にとまったアカゲラの姿が見えるかもしれません。雄の赤いポイント柄がよく目立ちます。ケラケラと笑うような鳴き声はユーモラスで、「あ、アカゲラがいるな」とすぐにわかります。

キツツキらしく、幹にとまって木肌を嘴でつついています。じっと見ていると、ラッキー! 幹の中にいた虫を見つけた様子。平らげると、また別の木に飛んで行きました。

梅雨明けまであと少し。後半も暑さに気をつけて、夏を存分に味わって過ごすことにしましょう。

イラスト提供:平野恵理子

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平野恵理子

イラストレーター、エッセイスト
1961年静岡県生まれ。著書に『五十八歳、山の家で猫と暮らす』『歳時記おしながき』『こんな、季節の味ばなし』ほか多数。好きな季節は、季節の変わり目。現在は八ヶ岳南麓在住。

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