こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
小さい頃からおばあちゃんと一緒におはぎをつくったのをきっかけに、和菓子が大好きになりました。小さな和菓子に日本の文化や歴史がギュッと詰まっているのに魅力を感じ、和菓子を求めて全国を旅しています。
だんだんと日が長くなってきた今日この頃。春の訪れもあと少しだなぁとあたたかい気持ちになります。和菓子のいいところは季節をほんの少し先取りできること。春が好きな私は、この季節になるといつもに増して和菓子屋さんを覗く機会が多くなってしまいます。ふらっと立ち寄ると春を感じる和菓子がちらほら並ぶようになりました。
桜餅や蝶々など春の和菓子といえばパステルカラーでかわいいのもばかり。見るだけでわくわくしてしまいます。そんな中、春の和菓子で外せないのが“うぐいす餅”。うぐいすをかたどった楕円形のお餅にはあんこが包まれ、緑のきな粉がまぶしてある和菓子です。
以前奈良へ行った際、たまたま訪れた和菓子屋さんがうぐいす餅の発祥のお店だったことを思い出します。
その歴史は1580年代、豊臣秀吉の弟、秀長が秀吉を招いた茶会で作らせたお菓子だといわれています。その際、秀吉がたいそう気に入り、“うぐいす餅”の名前がつきました。今でもそのお店のうぐいす餅は当時のまま、緑のきな粉ではなく、普通のきな粉がかかっています。
そんな歴史を感じながら、思い出したのは毎年春が近づくと父が嬉しそうにうぐいす餅を買ってきてくれたこと。「もう春はすぐそこだね」なんて言いながら家族で食べるのが恒例行事でした。そんなわけで今でも和菓子屋さんに入ると一番に目につくのがうぐいす餅。「今年はお父さんもう食べたかな?」とついつい買ってしまいます。
和菓子の中でもうぐいす餅が特に好きだという父に「なんでそんなにうぐいす餅が好きなの?」と聞いたことがあります。すると父は、「お父さんが小さい頃はきな粉とあんこが一緒になった和菓子ってあんまりなかったんだよ。おはぎと言っても今みたいにきな粉なんてなかった。あのふんわりとしたお餅に包まれたあんこときな粉のハーモニーは春だけに食べられる特別でね…」
確かにあんこときな粉が一緒に食べられる和菓子は今でも少ないなと思っていると、「そうそう、あとはね、寒い時期に山登りをした時、枯れ草の間から新芽の緑が生えていて、その色合いがちょうどうぐいす餅と重なって、自然を表す和菓子の素晴らしさをその時初めて感じたなぁ。」
とうぐいす餅を好きになったきっかけをちょっと恥ずかしそうに教えてくれました。
今年は久しぶりにお父さんと一緒にうぐいす餅を食べようかな。うぐいすの鳴く声を待ちながら、甘いひと時を過ごしたいものです。
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