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木蓮もくれん

旬のもの 2020.04.21

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春の訪れとともにスマートフォンのカメラロールが草花だらけになってしまうライターのカナエです。

春は野山が一気に華やぎ、世界に色が溢れ始める季節。新芽が芽吹くだけでなく、多くの木々が花を咲かせ、自然と明るい気持ちにしてくれます。
春の花木といえば、桜や梅を思い浮かべる人が多いのかもしれません。この時期に優雅な姿を見せてくれる「木蓮(モクレン)」もまた、春に彩りを添えてくれる美しい花木です。

モクレンは庭木や街路樹としてよく見かけますが、白い花の「白木蓮(ハクモクレン)」と紫の「紫木蓮(シモクレン)」があり、冬から春にかけて先に咲くのはハクモクレン、続いてシモクレンが咲き始めます。4月に入る頃に見られるのは、シモクレンが多いかもしれません。

昔は「木蘭(モクラン)」と呼ばれていたそうですが、これは花の形が蘭に似ていたということに由来しています。今では、ラン(蘭)よりもハス(蓮)の花に似ているということから「木蓮(モクレン)」という呼び名が定着しました。大ぶりでふくよかな花が枝に並んだ姿は、まるで小鳥がお行儀よく枝にとまっているようにも見えてきます。

そんなモクレン。実は、「地球上最古の花木」だというから驚きです。

恐竜が生きていたとされる1億年前にも、同じ姿で存在していたことがわかる化石が発見されているのだそうです。わたしは正直、そんな力強い生命力で脈々と続いているだなんて、その優雅で華やかな見た目からは想像もしていませんでした。

何事も見かけによらないものです。

また、木蓮の花のつぼみはなぜか必ず北に向いてついていることから「コンパスプラント(方向指標植物)」とも呼ばれています。モクレンによく似た、コブシやタムシバ、その他には芽の周りに真っ白な毛がふかふかしているネコヤナギなども同じくコンパスプラント。
春先の温かい日差しを浴び、蕾の南側が速く成長して膨れるため、先端が自然と北の方を向いてくるのだそう。

生活の身近なところで普段何気なく見かけていた植物も、注意深く観察してみると知らなかったことがたくさん発見できそうですよね。次にモクレンを見かけた時には、本当に北を向いているのか確かめてみると面白いかもしれません。

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中山カナエ

ライター・編集者
岡山県生まれ、兵庫県在住。好きな季節は春。草花がたくさん芽吹き、緑も柔らかくフレッシュな色になる新緑の季節が好き。趣味は朝ドラ大河ドラマ鑑賞、いけばな、写真、個性の光る素敵な宿めぐり。

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