こんにちは。暦生活編集部です。
名前の響きが美しい、真鶴(まなづる)。
今日は、冬になると日本へやってくる、真鶴のお話をしたいと思います。
全長120〜150cm、翼を広げると2メートルほどにもなるマナヅルは、ちょうど稲の収穫が終わる頃に中国やモンゴルから日本へやってきます。
灰色や暗灰色を基調にした姿は美しく、その飛来は日本に冬の訪れを教えてくれます。よく見てみると、全身が灰色なわけではなく、頭からのど、首のうしろにかけて白い羽毛でおおわれ、目の周りから嘴(くちばし)にかけてまるで化粧をしたような赤い皮膚が見えています。
ちなみに、マナヅルの「マ」は「標準的な」、「ナ」は「食用」を意味します。
マナヅルはかつて、食用とされていた時代がありました。
※現在、日本での狩猟は禁止されています。
枯れ始めた野に大きな羽を広げる様子や、その立ち姿に、日本の里山の美しい風景、そしてどこか懐かしい風景が頭の中に浮かびます。日本の飛来地としては、鹿児島県出水平野(いずみへいや)が最大の越冬地として知られ、毎年1万羽ほどのツルが訪れます。その内の3割が今回ご紹介しているマナヅル、残り7割がナベヅルやその他少数のツルたち。
10月ごろから、夜に数羽単位で飛来し、11月になるとたくさんのツルたちで覆い尽くされます。
マナヅルの世界での生息数は、6千〜7千羽ほど。
出水平野で越冬するのは約3千羽なので、じつに5割のマナヅルが日本で冬を越していることになります。出水平野の他にも、少数の家族が越冬する地域がありますが、現在は出水平野の集中化が進んでいるそうです。
マナヅルも、同じように日本へ飛来するナベヅルも、20世紀のはじめ頃までは日本各地で越冬する姿が見られましたが、生息地の開発が進んだこと、狩猟などによってその数を急激に減らし、絶滅が危惧されるまでになりました。
鹿児島県の出水地域と山口県の周南市八代(しゅうなんしやしろ)では、地域の人々の保護活動や地形的な理由により、ツルがたくさん集まり、冬を越すことができるようになっています。
でも、このような集中化は伝染病などが発生した際など、ツルが大量死してしまうという問題や農業被害が大きくなってしまうという問題もあります。そのため、各地でツルが生息していた昔のように、各地に分散させようとする動きがあるようです。
マナヅルに限った話ではありませんが、昔から共に暮らしてきた命を思いやり、絶やさないようにと活動する方がいらっしゃいます。いろいろな問題はあるにしても、そのこと自体が、私には大きな希望に感じられます。私にはなにができるだろう?暦生活を通してできること、考えたいな。と思いました。
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