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ユキムシ

旬のもの 2021.02.14

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はじめまして、昆虫写真家の村松です。
この記事から月に1~2回のペースで季節にまつわる昆虫の話をしていきますのでよろしくお願いします。

第一弾は「ユキムシ」です!
名前が冬っぽいでしょう?笑

どんな昆虫か知ってますか?
実は、ユキムシと呼ばれるのはアブラムシの仲間だったりします。
アブラムシといえば植物によくついている小さな昆虫で、日本だけでも700種類以上が確認されている仲間なんですね。

その中で、体に白く綿状になったワックスを分泌する生態を持ったものがいるのです。そういった種類が愛称として「ユキムシ」と呼ばれています。

アブラムシの仲間の多くは、同じ種類でも羽のあるタイプと無いタイプのものが現れ、羽のあるタイプがふわふわ飛んでいる様子が雪のようなんです。

写真はユキムシの一種

この秋にもユキムシが飛んでいるのを見かけました。
とても寒い日だったので、雪が降ってきたのかと思ったのですが、風も強くないのに上昇したんですね。
これは怪しいと手を近づけてみたら、袖についたのはふわふわのユキムシでした。

地域によっては、寒くなってきた季節にたくさんユキムシが飛んでいる姿を見かけると、雪が降る前兆と言われたりもします。

しかし、この昆虫は春にも意外と身近な場所で見つけることができる種類もいるんです。
「エノキワタアブラムシ」です!
名前からも想像できるのですが、エノキの葉っぱなどについているのを見かけることができる種類で、「ワタ」というのも白いワックスで全身を覆っている様子を表しています。

ほら、ふわふわでしょう!

エノキの葉っぱについたエノキワタアブラムシの子ども

写真に写っているのはまだ子どもですが、黄色っぽい体に白いふわふわがかわいいですね!
これが生きて動いているのがなんとも不思議な感じがします。

大人になると体も大きくなり、羽を持つものが出てきます。
その羽には模様が入っているのも特徴です。

羽を持った大人のエノキワタアブラムシ

もう暖かくなっているのに、その羽を持った個体が飛んでいるのは、まるで雪綿がふわふわと舞っているようなんですね。

飛び立とうとするエノキワタアブラムシ

見ることができるのは少し先になりますが、エノキの葉っぱを見かけたらちょっと葉裏をのぞいてみてください。
そこには季節外れの雪綿のような昆虫が隠れているかもしれません。

写真:村松佳優

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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