こんにちは、昆虫写真家の村松です。
前回はモンシロチョウの幼虫のアオムシの話を書きましたが、今回は成虫の話が中心です。
モンシロチョウは全国的に見られるチョウの仲間で「シロチョウ」と呼ばれるグループに含まれています。シロチョウと言ってもピンと来ないかもしれませんが「ツマキチョウ」や「モンキチョウ」など身近に見られるチョウが近い仲間です。
ツマキチョウなどはモンシロチョウと同じ時期に見られることもあって、飛んでいる姿をよく勘違いされることもあります。しかし、近くで見ると羽の先が尖っているので見分けやすいチョウです。
見た目が全然違うように見えますが、飛んでいるとよく間違えちゃいます!慣れると飛び方の違いで見分けられるようになります。
春のチョウのイメージが強いですが、実際には春から秋まで活動し、暖かい地域だと12月でも飛んでいたりします。
成長が早く、幼虫が成虫になるまで約3週間ほどですが、年に何回も発生を繰り返しているので長い期間見られるチョウなんですね。
成長の早さや、身近な畑でも幼虫が見られることから、飼育・観察から生き物の教育まで幅広く親しまれている昆虫でもあります。
観察した事がある人は見たことがあるかもしれませんが、緑や茶色だったサナギが羽化に近づくと少しずつ模様が現れてきます。そこから成虫が出てくるところは、何回見ても神秘的で感動を覚えます。
モンシロチョウの凄いところは、人間が感知できない紫外線をみることができるんです。
人間の目では、オスもメスも羽の模様が似ています。しかし、オスの羽は紫外線を吸収するので、モンシロチョウ達にはオスが黒く見えるんです。
僕たちにはどちらも白いモンシロチョウですが、モンシロチョウの世界では白いメスと黒いオスに見えてることに驚きます!
しかし、人間の目でもオスとメスを判断する区別ポイントがあります。
羽を広げた時の付け根の模様で、黒い部分の広さを見ることでわかるんです。
オスは黒い部分の幅が狭く、メスでは黒い部分の幅が広くなっています。
4月になり、外に出ればモンシロチョウや他のチョウもたくさん飛んでいるのを見かけることができます。どんな風に活動しているのか、またぜひ観察してみてください。
写真:村松佳優
村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
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