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セロリ

旬のもの 2022.09.05

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こんにちは。料理人の川口屋薫です。
今日のお話は「セロリ」です。

セロリの独特の香りには、気持ちを穏やかにする、イライラを鎮める、眠りやすくするなどの働きがあるそうです。古代ギリシャ・ローマの時代には、整腸、強壮作用など薬や香料に使われていました。

原産地はヨーロッパ中南部から地中海沿岸部で、17世紀頃から品種改良を重ねてイタリアからヨーロッパ全土へ広まっていきました。

日本に伝わったのは、16世紀末頃。熊本城を築いた武将加藤清正が、朝鮮から日本に種を持ち帰り、17世紀頃に、種がオランダ船で日本に持ち込まれました。セロリは、人参、みつばと同じセリ科の野菜のため、和名では「清正人参」、「オランダみつば」と言います。
セロリの名前は、英語の「Celery」からきていて、発音から「セルリー」に近く、現在もセロリの産地では、「セルリー」と呼ばれています。私が市場で働いていた時に見たセロリの段ボール箱には、「セルリー」と書かれていました。

日本の主な産地は長野、静岡、福岡で、特に長野は全国の収穫量約40%、夏場は約90%を占めるほど、栽培が盛んな地域です。

長野で行われるセロリの栽培は、1922年に諏訪地区で本格的に始まりました。セロリは涼しい土地を好むことから、標高700m以上、夏は冷涼な長野の気候が適していて、5月から11月まで収穫が行われます。
ちなみに9月に出回っているセロリは、ほぼ長野の高原で育ったセロリだと言われています。

また、セロリは高温や日光に照らされると品質が落ちてしまうため、夜中の1〜2時頃から投光器やヘッドランプをつけて行われます。このおかげで水分をたっぷり含んだセロリの食感や爽やかな香りを守ることが出来るそうです。夜空から農家さんの収穫作業を、お月さんが見守ってくれているのかもしれませんね。

長野でセロリの収穫が終わると、11月から6月までの間は静岡、福岡が中心になります。こうして、一年中、セロリを味わうことができます。

皆さんの好きなセロリ料理はなんですか?

イタリア料理では、「ソフリット」と言って、セロリを玉ねぎ、人参などをオリーブオイルでじっくり炒めた香味ベースを作ります。例えばミラノ風リゾット、牛肉の煮込み、ボロネーゼソースなどに使います。私は多めに作り、小分けにして冷凍保存でストックしています。

今回のレシピは、旬の梨と合わせたサラダです。異なるシャキシャキ感が楽しめます。よかったら作ってみてください!

セロリと梨の秋サラダ

写真提供:川口屋薫

材料(2人前)

•セロリ 約60g(1本の白い部分)
•梨 約200g〜300g(1玉)
•すだち 1個

A
•オリーブオイル 大さじ2
•砂糖 小さじ½
•塩 小さじ⅓

写真提供:川口屋薫

作り方

①筋取りをしたセロリを、繊維に沿って細切りにします。
②皮を剥いた梨を、ざっくりセロリの大きさに合わせて、細切りにします。
③ボールにAの材料を入れて、よく混ぜ合わせた後、すだちの搾り汁を加えます。
③に、①と②を入れて、軽く混ぜ合わせたら完成です。

ポイント
•シャキシャキ感を残すため、セロリと梨をドレッシングと混ぜるのは、食べる直前にすると良いです。
•すだちの皮をすりおろしたものを、パラパラとかけると、爽やかな風味が増しますし、緑色がサラダのアクセントになり、綺麗です。

写真提供:川口屋薫
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川口屋薫

料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁

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