風邪っていやなもんですね。
咳にノド痛、頭痛に倦怠感に発熱。しんどいです。そして寒暖差、忙しさ、寒さいろんな負担が元になり発症しますね。
そもそも『風邪』とは、専門的には『感冒』といいますが、これは感冒症状を発症するウィルスに、一時的に感染したことによる様々な症状を指しています。中医学で感冒は、その症状の傾向によりタイプが分かれると考えます。
大きく分けると悪寒が主体となる『風寒感冒』と、こもった熱が悪さをする『風熱感冒』の2タイプがあります。
『風寒』の場合は、悪寒、冷え、無汗が特徴的な症状で、発熱に伴う倦怠感も見られます。『風熱』の場合は、喉の痛み、熱感などが顕著で、こちらも発熱に伴う倦怠感などが見られます。どちらも軽度の悪風から悪寒が見られることがあります。風寒の場合は、温めて発汗させて寒さの風邪を散らします。風熱の場合は、こもった熱をさまして、炎症を鎮める対策をします。この寒熱を間違うと対策が逆になってしまって、悪化することも有るのでご注意ください。
子どもの風邪も症状によってタイプ分けをします。寒熱の判別ポイントは『喉の痛み』を訴えているか。これは大人も一緒ですが、のどが痛いと訴えるなら十中八九『風熱』と判断できますので、熱をとる対策をしましょう。
喉の痛みが見られない『風寒のカゼ』場合は、生姜湯などが良いでしょう。生の生姜をスライスして、コトコト煮出して飲みます。漢方薬では発汗がないなら麻黄湯を。すでに発汗が見られるなら桂枝湯をお湯で飲みます。その後は温かいお粥やクタクタに煮た野菜スープなどを食べて、お布団をしっかりかぶって発汗を促し、冷えを散らしましょう。
喉に違和感や痛みが見られる『風熱のカゼ』の場合はこもった熱をさます、梨や柿、りんごを食べましょう。生姜やトウガラシ、シナモン、辛いもの、脂っこいものは熱の元になるので、避けてくださいね。漢方薬では銀翹散、銀翹解毒散を使います。
どちらの症状でも睡眠を最優先することをお忘れなく。
この時期美味しいりんごは、栄養バランスに優れた健康食材です。そのほとんどが水分で、りんご1個に含まれる糖は、大体角砂糖14個分ぐらいです。カロリーだと150キロカロリー程度。発熱しているときは食欲も落ちますし、子どもによっては発汗もしているので、水分とすぐつかえるエネルギーの供給源としてはとても有効です。
りんごには水分や糖分の他に、食物繊維、カリウム、リン、カルシウム、マグネシウム、ビタミンC等が含まれています。りんごはクエン酸やリンゴ酸も含んでいるので、ビタミンやミネラルと合わせて抵抗力回復の一助となるでしょう。また、タンニンやペクチン、食物繊維といった、お腹の調子を整える成分も含んでいます。子どもは大人に比べて胃腸がまだ未発達で弱いです。飲食物が胃腸によって消化吸収されることで、体のエネルギーがつくられるので、特に小児のケアでは胃腸対策がすべての疾患に置いて重要です。
中医学でりんごは、潤いを生み、胃腸を元気にし、イライラをおちつけてくれる食材として紹介されています。ハチミツと合わせることでさらに潤い効果の高い薬膳デザートになります。りんごとはちみつは、喉がイガイガして空咳が残るようなときに最適です。1歳未満の子どもにあげるときは、はちみつを抜いてくださいね。
りんご
【性味/帰経】
涼性、微寒または平性、甘味/脾、胃、心
【働き】
1.清熱生津潤肺: 熱のこもり、口の渇き、空咳、肺を養い機能を回復する
2.清熱除煩: 熱を収めて、イライラを解消する
3.開胃醒酒: 食欲を促して、二日酔いを解消する
4.止瀉通便: 下痢、便秘、消化不良を助ける
【注意】
・胃腸が冷えている方は加熱してから食べましょう。
・一度に大量に食べるのは控えましょう。
りんごとはちみつのカゼケアデザートレシピ
【材料】
■ りんご 1個
■ ハチミツ 大匙1
■ レモン汁(あれば) 大匙1/2
【つくり方】
①りんごは切って芯をとり、乱切りするか、スライスします。皮は剥いても剥かなくてもいいです。
②りんごは加熱すると汁があふれるので、ちょっと深めの、レンジに使える容器にりんごを出来るだけ重ならないように入れます。
③ハチミツとレモン汁を回しがけます。レモン汁は酸味があるりんごなら必要ないかもしれません。
④ラップをふんわりかけて、レンジで3分加熱。
以上です。
切って、はちみつやレモンをかけてレンジで加熱するだけです。ラップのまま粗熱をとり、冷蔵庫で冷やすと透明感がでて、見た目にもきれいです。ハチミツとレモンを入れずにそのままレンジで加熱するだけでも十分においしいです。そうすれば1歳未満の子でも食べられます。りんごをするより簡単かもしれませんね。発熱時の栄養や水分の補給、軟便や下痢、そして乾燥を伴う咳があるときにはぜひりんごをたべましょう。
櫻井大典
国際中医専門員・漢方専門家
北海道出身。好きな季節は、雪がふる冬。真っ白な世界、匂いも音も感じない世界が好きです。冬は雪があったほうが好きです。SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず人気に。著書『まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』 (ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)など。
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