おはようございます、こんにちは。編集者の藤田華子です。
立春を迎え、暦の上ではもう春。でも気温はまだまだ寒く、イギリス人の友人が「凍ってしまうほど寒いね!」という意味で”Freezing!”と震えていました。
さて、今日はこんな寒い時期だからこそのお楽しみ、「雪まつり」についてです。
「雪まつり」といえば雪や氷でできた大小の像が展示される模様が有名ですが、それに限らず、スポーツやダンス、音楽ライブなどを行うこともあり各地での催しはさまざま。私は地元の雪まつりで、雪で作った丘でスリル満点のソリ滑りをしたことがあります。子どもははしゃぎ、大人は悲鳴をあげていました(笑)。
戦争からようやく日本が立ち直り始めたころ、厳しい冬の娯楽として雪像や氷像を作る遊びが流行していたそう。いまや世界中から観光客が訪れるさっぽろ雪まつりのはじまりは、その頃に地元の中・高校生が6つの雪像を大通公園に設置したことがきっかけでした。そして1950年に、日本で最初の自治体単位のイベントとして、十日町雪まつりと、さっぽろ雪まつりが開催されたのです。
100mにも及ぶ大滑り台や、巨大な雪像などインパクトのある展示が並びますが、あれを作るにはいったいどれくらいの雪が必要なのか、その雪はどこから集めるのか、不思議に思ったことはありませんか?
「札幌観光協会」のサイトによると、展示物に使う雪は不純物が入っていると崩れたり転倒したりしやすくなり事故の原因にもつながるので、安全第一でゴミが入っていない綺麗な雪を用いています。そのために、会場近隣の公園やゴルフ場など、広い場所に積もった雪を輸送しているそう。その量、5tトラック約6000台、なんと約3万tの雪が使用されるというのですから驚きです。スケールの大きなお祭りですね。
雪像は、一般的に雪に水をかけて凍らせることで強度を上げながら、約2週間〜1ヶ月間かけて作られます。氷雪像作りに参加してみたいという方は、お祭りによっては一般の参加者を募集している場合もありますので、ぜひイベントサイトで詳細を調べてみてください。
会場の様子が移り変わっていくことも、このお祭りの特徴でしょう。たとえば途中で、晴天が続くと氷雪像は溶け始めます。何か事故が起きてはいけないので、安全面を考慮し、会期中でも像を崩す判断をすることも。そして最終日を終えると、夜から翌朝にかけて雪氷像は大型のショベルカーなどで解体されます。
そう、雪まつりはその瞬間の姿を愛でる、刹那的なお祭り。永遠ではない美を堪能する、贅沢さも醍醐味と言えるでしょう。
雪は、はるか上空の冷たい空気のなかで生まれ、地上に舞い落ちてきます。漢字では「雨にヨ」と書きますが、「ヨ」は、ホウキや、はらうことを表し“空から降って万物を掃き清める”という意味を持つそう。
真っ白な雪が世界を掃き清めるーーそんなことを思うと銀世界を眺める感動もひとしお。あたたかな格好で、雪の美しいパフォーマンスをお楽しみください。
藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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