こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
6月になりました。じめじめとした気候も多くなり、さっぱりとした和菓子が恋しくなる季節。今日の主役はつるんとのどごしのいい「水まんじゅう」です。

水まんじゅうは葛粉とわらび粉を混ぜて作られた生地にこしあんが包まれた夏の和菓子。春先から出回る葛饅頭の兄弟のようなものです。葛饅頭は冷蔵庫で冷やすと固くなってしまいますが、水まんじゅうはわらび粉が入っているので冷やして食べることができます。
夏を感じ始めた6月のある日のこと。お気に入りの和菓子屋さんにふらっと足を運ぶと先月まで柏餅が並んでいた場所に仲間入りしていたのは「水まんじゅう」でした。隣には麩饅頭や冷やしぜんざいなど、夏らしいお菓子が並んでいます。
何にしようか悩んでいると、お店のおばあちゃんがスッと近くに来て、
「夏は暑いから、冷たいものばかり食べるでしょう?それじゃあ体が冷えてしまって余計に疲れちゃうのよ。でも、和菓子の材料、特に葛なんかは血行をよくして、体を温めてくれるのよ」
透明感あふれる水まんじゅうは夏の和菓子そのものと思っていましたが、まさかそんな力を持っているなんて…恐るべし和菓子の力!これからやってくる夏をちょっぴり不安に思っていたのに、なんだか急に力が湧いてきました。

そんな水まんじゅうが誕生したのは明治時代の初め。「水の都」とも呼ばれている岐阜県の大垣で誕生しました。大垣は水がきれいで地下水が豊富。そんな水を生かして作られたのが「水まんじゅう」です。地下水につけて冷やすために葛に水に強いわらび粉を混ぜ、柔らかく炊き上げた生地を陶器のお猪口に流して固めます。このお猪口に入った水まんじゅうがぷかぷか浮かぶ光景は何度見ても癒されます。
最近ではレアチーズが入った水まんじゅうや、フルーツを使ったカラフルな水まんじゅうなど、種類も豊富。葛粉やわらび粉はもちろん、おうちで作るのであれば片栗粉で代用することも可能です。暑い夏がやってきますが身構えすぎず、昔からの知恵を借りながら、健やかに過ごしたいものです。
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