こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
だんだん寒くなってきました。
寒くなると、たい焼きや今川焼きなどのあたたかいおやつが恋しくなります。出来立てあつあつではなくても、私にとって"きんつば"は寒くなると食べたくなる和菓子のひとつです。
和菓子とコーヒーの組み合わせが好きな私も、きんつばばかりはお茶と飲むのがお決まり。キリッとしたあたたかいお茶とほっくりとしたあんこ。心も体もほかほかして、今年も寒い季節がやってきたなぁと実感します。

小学生の頃、両親がとんでもなく大喜びしていたのを、横目でみていたのが私の初めてのきんつばとの出会いです。
きん…つば…???
よくマンガで見るような、頭の上に「?」がたくさん浮かんでいた当時の私。九州ではあまり目にすることのないきんつばにわくわく…というよりも何それ?食べ物?という印象で、両親の嬉しそうな顔をぽかんと眺めていました。
数日後、我が家にやってきたきんつば。はじめてのご対面に、ちょっぴり緊張しながらも包みを開けていきます。そこに入っていたのは、うっすらとあんこの透けた小麦粉の生地で焼かれた四角いお菓子。恐る恐る手に取り、一口がぶり。香ばしく、もちっとした生地。そして、中から出てきたのはぎっしり詰まった甘いつぶあんでした。


表面に並ぶ小豆がまるで宝石のようにキラキラと光り、以来、きんつばは私の大好物に。そして、全国にはいろんなきんつばがあることも知りました。
きんつばはもともと関西で生まれ、江戸に伝わりました。今となっては四角い形が一般的ですが、当時のきんつばは丸く、その形がまるで刀の鍔(つば)に似ていたことからその名が名付けられました。さらに、当時は“銀鍔(ぎんつば)”と呼ばれていましたが、関西から江戸に伝わる際、金の方が縁起がいい!というなんともお茶目な理由で”きんつば”になりました。
丸や四角の形はもちろん、とても大きいものやピシッと上品なもの、皮がふわっとしたおやつ感覚のものに季節限定のもの。各地のきんつばを食べれば食べるほどきんつば愛は深まるばかりです。

今ではここのきんつばがお気に入り、なんて生意気に言ってしまうほどになりましたが、きんつばはいつでも、初めて食べたときのドキドキを思い出させてくれる食べ物。ほくほくのきんつばを求めてお散歩に出かけようかな。

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