今日のお話は「つるむらさき」です。
つるむらさきは、東南アジア原産で、蒸し暑い気候を好むことから日本では育ちやすく、夏が旬の盛りになります。
蔓が長く伸び、紫色の茎や実をつけることから、漢字は「蔓紫」と書きます。
ゴーヤと同じように、夏の日差しを遮る緑のカーテンとして栽培されたり、紫色の実を染料に使ったりすることもあります。
野菜としては、蔓から伸びた先の葉や茎の部分を食べます。 現在では、緑茎のつるむらさきが主に流通しています。
私の住んでいる大阪では、7月下旬頃から地元で収穫されたつるむらさきがお店に並び始めます。連日の猛暑にもかかわらず、元気いっぱいのつるむらさきを見ていると、こちらまで元気になりそうな生命力を感じます。 つるむらさきは独特の香りがあり、やや土臭く、えぐみがあるので好みの分かれる風味かもしれません。
今日は苦手な方でも食べやすい調理法をご紹介いたします。栄養素を多く含む緑黄色野菜ですので、夏のお料理に使ってみてください。
葉と茎を分け、塩を入れた熱湯で、茎を1分から1分半茹で、取り出し冷水にさらします。続いて葉を30秒から1分茹でて、同じ手順をします。下茹ですることにより、えぐみが抜けて食べやすくなります。出来れば氷水の方が、より余熱で火が通るのを防げて、鮮やかな緑色に仕上がります。
キッチンペーパーやふきんを使って、つるむらさきをギュッと手で握って、しっかり水気を切ってください。
加熱して刻むと粘りがでて、モロヘイヤやオクラのようにネバネバした食感になりますので、個性がはっきりとした食材と合わせることで、お互いの風味を生かし合い、より食べやすくなります。
例えば、野菜では糖度の高いとうもろこしやミニトマト、ネバネバ食感の長芋、いい出汁がでるキノコ類です。加工品では、ちくわやカニカマなどの練り物や納豆、ちりめんじゃこ、塩昆布などです。胡麻や鰹節もいいアクセントになります。
つるむらさき1束に、そうめんつゆ大さじ3で合えてください。カニカマなどの練り物は塩味が効いていますので、あっさりした味付けでも大丈夫です。
もちろんお好みで醤油を加えたり、めんつゆを使っても良いです。
最後に、なかなかお店では見かけることが無いのですが、つるむらさきの花蕾は小粒の丸い形の先にうっすらと紫色がかかっており、愛くるしい表情をしています。和食の飾りに使われていますので、料理屋さんで出された時は、目で楽しんでいただければと思います。
川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
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