こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
まだまだ厳しい残暑が続く中ですが、ふとした瞬間にかすかな秋の気配を感じるようになってきました。
特に近年、真夏の時期は朝から晩まで一日中暑さが続くことが多かったですが、秋の足音が聞こえてくると朝夕は少し穏やかに過ごせる気がします。
今回ご紹介する言葉は「夕涼み」。
音を聞いただけでも、また、その字面を眺めただけでも、昼間のギラギラとした暑さを乗り越えて、少しだけホッとひと息つけるような不思議な言葉です。
意味は、夏の一日が終わろうとする夕暮れ時、暑さも和らいできた頃に屋外や縁側などに出て、涼みながら夏を楽しむこと。
俳句の世界で、この風流な言葉は「夏」の季語になっていますね。
夕涼みの過ごし方にもいろいろありますが、縁側やベランダなどで外の空気を感じながら団扇を片手にスイカを食べたり、気心の知れた仲間とビアガーデンや屋形船でお酒や食事を楽しんだり……。
地域によっては、花火やコンサートなどの納涼イベントが行われることもあります。
そういえば、私が初めてこの言葉に出会ったのは、おそらく幼稚園の頃だったと思います。
幼稚園で開催される「夕涼み会」というのがあって、子どもたちや先生が思い思いに浴衣などを着て夕方頃から集まり、小さな屋台の食べ物やミニゲーム、盆踊りなどを楽しんだものでした。
日頃、明るいうちにしか顔を合わせていなかった人とも、薄暗くなってきた外で会って話をすると、いつもとは違う空気が感じられて無性にワクワクしたことを覚えています。
要は、過ぎゆく夏の中でこそ味わえる「心地よさ」や「楽しみ」を、それぞれにぴったりの方法で味わい尽くせば良いのです。
ちょっとだけ特別で心が躍るような、非日常のことをしてみると、自分らしい「夕涼み」の過ごし方に出会えるかもしれませんね。
日頃から忙しく過ごしていると、なかなか「季節を楽しむ」という心の余裕や暮らしのゆとりが持てないこともありますよね。
でも、たまには体の力をふっと抜いて、「あるがままの今をどう楽しむか?」ということに心を使ってみても良いのではないでしょうか。
最近、いつも同じような日々を過ごしているなぁとか、ワクワクするような出来事がないなぁなどと思ったら……。
ほんの少しの贅沢でも良いのです。
なにか心が喜ぶようなことをして、がんばる自分にもご褒美の時間をあげてみてくださいね。
夏の終わりを楽しむ「夕涼み」。
さて、あなたはどんな過ごし方をしますか?
紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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