こんにちは。和菓子コーディネーターのせせなおこです。
日中も随分と過ごしやすくなり、秋を実感するようになってきました。さて、そんな秋は和菓子も旬の季節を迎えます。お餅の原料であるお米に小豆、様々な穀物が実り、待ちに待った食欲の秋だ!と食いしん坊っぷりを発揮しています。
そして、秋といえばやっぱり栗。秋全体を通して栗は季節の主役ですが、秋の中でも栗の和菓子は移り変わっていきます。前回は秋の訪れを感じる「栗きんとん」でしたが、今回は秋を味わう「栗餅」が主役です。
栗餅はお店によって形は異なるものの、名前の通り、栗とあんこをお餅で包んだお菓子。栗、あんこ、お餅ととってもシンプルに秋の味覚を楽しむことができます。ペースト状の栗あんとは違い、栗のほくほく感をダイレクトに感じることができるのが特徴です。
以前和菓子屋さんで栗餅をつくるところを見せていただいたことがあります。つきたてのお餅にあんこ、そして栗をのせ、くるくるっとまわすと、あんこと栗がお餅の中に吸い込まれていき、あっという間に完成。まんまるのかわいい栗餅が生まれました。「うわぁ!これぞ職人技!」と感動したのを覚えています。
そして、出来立ての栗餅をその場で食べさせていただいたのですが、お餅はほんのりあたたかく、驚くほどふわふわ。こんなふわふわのお布団に包まれたい!と思うほどでした…。
栗餅の見た目は真っ白で決して華やかとは言えません。しかし、中身が見えた時のワクワクする気持ちはどんなお菓子にも負けないくらいの豪華なお菓子。今ではさまざまなフルーツが包まれた色とりどりのフルーツ大福が人気ですが、この季節の栗餅はいわば「大福の王様」なのではないかと思っています。
いも、くり、なんきん。和菓子屋さんに限らず、街に出かけるとこの言葉をよく目にする季節になりました。なんて語呂のいい言葉だろう、とついつい口に出して言いたくなってしまいます。いよいよ始まった秋、ほくほくとあたたかい気持ちでお過ごしください。
写真提供:せせなおこ

