こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。
日本ならではの「原風景」として挙げられる景色にはさまざまなものがありますが、棚田は誰の心にも、どことなく懐かしさとあたたかみを感じさせてくれる光景なのではないでしょうか。
棚田とは、山地の斜面や谷間の傾斜地に沿って、階段のような形で造られた水田のことを言います。
その場所の地形に合わせて作られた、大小さまざまな田んぼの形とそこに住む多様な生き物の姿は、ありのままの自然に寄り添う人々の暮らしを思わせてくれます。
棚田は日本の中で、山の多い地域において決して珍しくない水田でしたが、きっちり四角で区切られた水田に比べると農作業の機械化が難しい点などから、少しずつその数を減らしているとも言われています。
しかし、その光景の美しさはさることながら、棚田はその特徴からさまざまな利点も挙げられ、改めてその魅力と価値が見直され始めているのだとか。
昼と夜の温度差が上質なお米作りにつながることや、大雨が降ってもその一部は段々になった水田に溜められるため洪水を防ぐ効果があったり、山の傾斜が田んぼになっていることで土砂崩れや地滑りを防いだりと、雨の多い日本において棚田はとても理にかなっていると言えます。
棚田は貴重な水の恵みを余すことなく、無理のない形で上手に利用していこうとした、先人たちの知恵の結晶とも言えるのではないでしょうか。
各地の棚田を見てゆくと、その景観から受ける雰囲気も実にさまざまで、その土地の特徴や魅力を表現している自然の芸術作品のようにも思えてきます。
自然の力なくして私たちの健やかな暮らしはありえませんが、都会に暮らしているとどうしても慌ただしく賑やかな毎日に流されて、自然からの恩恵を忘れてしまいがちなところもあるかもしれません。
そんな時は、棚田のような光景を間近で見て、人の暮らしがいかに自然と共に寄り添って存在するべきものかを、改めて感じることも大切なのではないでしょうか。
日本の上質なお米と、豊かな生態系と、穏やかな田園風景がもたらす心身の安らぎは、きっと誰の胸の中にもあたたかく感じられることでしょう。
各地に受け継がれている棚田が、これからも脈々と、美しい姿のまま受け継がれていくことを願わずにはいられません。
身近に棚田のような自然がないという方は、旅先にこういった田園風景に触れられる地域を選んでみるのも素敵かもしれません。
きっと「日本に生まれてよかった」と、美しい光景を目の当たりにする安らぎや、美味しいお米や作物を口にすることのできる喜びが、その胸に刻まれることでしょう。
紺野うみ
巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。
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