こんにちは。和菓子文化研究家のせせなおこです。
ようやく秋も深まり、冬の気配も感じられる頃となりました。和菓子屋さんに入ると、いも、栗、かぼちゃと秋の主役が勢揃い。深まる秋を実感すると同時に今年の終わりを感じ始める季節です。
その中でも今日は大好きなさつまいものお話をしようと思います。さつまいもは江戸時代に沖縄を経て薩摩(鹿児島県)にやってきました。薩摩のおいも、ということで「さつまいも」という名前がつきました。江戸や大阪では「ほっこり〜ほっこり〜」という掛け声で蒸したさつまいもを売っていたんだそう。聞いているだけでほっこりしてしまいますよね。
その後「八里半」「十三里」という行燈をかかげたお店が現れます。ダジャレになっているのですがみなさんわかりますか?
正解は焼き芋屋さん。「八里半」とは「栗(九里)に近い味の八里半」、「十三里」は「栗より(九里四里)うまい十三里」という意味なんだそう。江戸の言葉遊びは粋だな〜と感心させられます。
そんなさつまいもの和菓子といえば「いもようかん」に「いもまんじゅう」、「芋けんぴ」、鹿児島には「ねったぼ」というさつまいものお餅もあり、あげ始めるとキリがありません。
たとえば、いもようかんは蒸したさつまいもに砂糖を加え練りあげた後、四角に形を整えたお菓子。そんないもようかんが誕生したのは明治時代。当時は煉羊羹が高級で庶民はなかなか食べることができなかったため、その代用品として誕生しました。そんな歴史を知ると、より一層和菓子を愛おしく感じます。いもようかんはバターで焼いたり、お砂糖をまぶしたりしてブリュレ風にして食べるのもおすすめです。
先日韓国に行った時、「さつまいも博物館」に行ってきました。かわいいキャラクターとともにさつまいもの歴史を学ぶことができ、韓国のさつまいもは日本から伝わったことを知りました。韓国でもさつまいもは大人気。さつまいもを使ったケーキやラテもあります。ちなみに韓国語でさつまいもは「コグマ」。微笑ましい単語です。
年々夏が長くなり、秋を感じる時間が短くなっています。和菓子の良さは季節が感じられること。このまま季節が消えていってしまうのかな…と不安に感じることもありますが、だからこそ今感じられる秋を大切にしながら日々を過ごしていきたいものです。
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