こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
「暑さ寒さも彼岸まで」
あついあつい夏もようやく終わりを迎えようとしています。ついこの前春のお彼岸だったのになぁ、と思いながら、季節がすぎるのは本当にあっという間だなと感じています。
お彼岸は春と秋の年2回。秋のお彼岸は秋分の日を中日として前後3日間、計7日間のことをいいます。また、秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じといわれていて、これからはどんどん夜が長くなります。冬があまり得意ではない私ですが、秋分を過ぎるとなんだか冬がこちらに歩み寄ってきてくれるような気がして、今年もよろしくね、と挨拶をしてみたり。
お彼岸といえば、そう、おはぎです。春に食べるぼたもちと同じ和菓子ですが、春に咲く牡丹の花に似ていることから春は“ぼたもち”、秋に咲く萩の花に似ていることから秋は“おはぎ”と呼ばれています。
余談ですが、8月にはお盆があり、1ヶ月後の9月にはもうお彼岸。ご先祖様にまたお供え…?と、お供えのおはぎにばかり目が眩み、これではバチが当たりそうです…。お盆は里帰り、そしてお彼岸は昼と夜の長さがほぼ同じになることから、あの世とこの世が最も近くなる日なんだそう。そのため、その境まで会いにきてくれるご先祖様に会いに行きましょう、ということからお墓参りやお供えにつながったんだそうです。
さて、粒あん、こしあん、きな粉と、今まではとてもシンプルなイメージだったおはぎですが、最近では斬新なおはぎやおはぎの専門店も増えてきました。
例えば、東京にある「タケノとおはぎ」さんでは、ナッツや旬のフルーツを使い、表現される斬新なデザインはアート作品のよう。大阪にある「CHASHITSU」さんではもち米であんこを挟んだ"おはぎバーガー"が名物。初めてみたとき、そのアイデアにびっくりしたのを覚えています。
旬の素材を使い、四季を表現した近年のおはぎはお彼岸に食べるものではなく、年中季節を感じながら食べられるものに変化しつつあります。私にとってお彼岸はおばあちゃんとおはぎ(ぼたもち)を作った大事な思い出の行事。日常的におはぎを食べられるのは嬉しい反面、少しずつその文化が忘れられていくことはさみしいな、とも感じつつも、いや、もしかしてこれはおはぎの新しい文化の真っ只中にいるのかもしれない…!とワクワクしてみたり。
これから、おはぎは、いや「和菓子」はもっと自由なものになっていくはず。そんな期待をしながら、大好きなおはぎを頬張り、今年のお彼岸も大切に過ごそうと思います。
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