こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回は、日本に生息する擬態の名人ナナフシを紹介します。
早速ですが、次の写真に昆虫が隠れています。
どこにいるのかわかりますか?
画面右側、枝が二本重なっている下の枝が実は昆虫なんです。
ナナフシと呼ばれる昆虫が枝のように体を伸ばしてじっとしています。
画面の右下の方を見ると、脚を枝に引っかけている様子もわかります。
枝に姿を似せているナナフシのように、周りの環境に姿をなじませて身を守ることを隠蔽型の擬態と呼びます。
天敵から見つかりにくくすることで生存率を上げているのです。
一番よく見られるナナフシはナナフシモドキと呼ばれる昆虫です。
日本には他にも何種類か生息しており、エダナナフシやトゲナナフシなどがいます。
多くの種類は、枝のような細長い体を持ち、脚も細長いので折れてしまいそうです。
実際に枝などに絡まって脚が取れてしまった個体も見かけますが、幼虫の頃なら脱皮で少し再生する強さも持っています。
春先には孵化(ふか)した幼虫が見られます。
幼虫の頃から細長く、風に吹かれて飛んでいってしまいそうな体をしていますが、たくましく木の幹を登ったり枝にぶら下がったりしているのを見かけます。
サクラなどの様々な葉っぱを食べる草食なので、身近な場所でも見られる昆虫です。
幼虫時代は葉っぱの上で休んでいる姿もよく見かけます。
小さな体で脚を広げてじっとしている様子は、まるで葉脈のようでもあります。
体の大きさに合わせて、隠れる方法を変えているのかもしれません。
このように、身を隠しているので見つけるのが難しそうな昆虫ですが、手すりや地面を歩いているところに遭遇することもしばしば。
観察したいときは手の上に乗せるようにつかまらせてあげるのがよいでしょう。
ただ、動きが素早いわけではないのですが、足が長いので移動速度はなかなかのものです。
大きな成虫だとぐんぐん進んで行きます。
手のひらに乗せたつもりが、あっという間に頭の上まで登ってしまうことも。
慌ててつかんだりすると、脚が折れてしまうこともあるので気をつけましょう。
身近な植物を色々と食べるので飼育も難しくありません。
成虫を飼っていると産卵もします。
卵の形が面白く、まるで植物の種のような雰囲気です。
地面に産み落とされたら、簡単には卵だと気づかれることもないでしょう。
卵のときから擬態をしているのかもしれませんね。
体の色も緑や茶色など変化があり、周りの環境に馴染んでいることもあれば、丸見えになっている間抜けな個体を見かけることも。
愛嬌たっぷりのナナフシを見かけたら、ぜひ観察を楽しんでみてください。
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
