こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回は、トンボの中でもヤンマと呼ばれる大型昆虫の中からギンヤンマを紹介します。
全国的に広く分布し、広い池などがある緑地公園等があれば都市部でも見ることができます。
ですから、ヤンマ類の中では一番身近なトンボだと思います。
ギンヤンマは明るい緑色の頭部も綺麗ですが、腹部の付け根にある水色の模様が特に目立っています。
名前の由来にもなっている銀色の部分は下側にあり、かなり目立つポイントになるので遠目に見てもギンヤンマとわかります。
基本的に、水色になるのはオス。メスは全体的に緑色の印象です。
しかし、オス型と呼ばれる水色の模様が出てくるメスもいるので注意が必要です。
ギンヤンマを始めトンボの仲間の幼虫時代をヤゴと呼びます。
成虫が大きいのでヤゴもかなり大きく、体長は50mm程になります。
都市部でも見られると書きましたが、プールなどでも冬を越したギンヤンマのヤゴが見つかることがあります。
学校のプール開きに合わせ、生徒やボランティアの人が集まって行う掃除に参加した思い出がある人もいるのではないでしょうか?
自然教育の観点から、掃除の前にプールの中の生き物を救出して観察する活動もあるようです。
たくさんのヤゴが見つかったなかに、ギンヤンマのヤゴも多いようです。
そのままビオトープなどに移して、ヤゴの成長を観察するのはとても良い取り組みだと思います。色んなところで行われて欲しいです。
別種ですが、そっくりなクロスジギンヤンマのヤゴの写真があったので紹介します。
5cmほどのヤゴで、ギンヤンマのヤゴも同じくらいの大きさです。
成虫の見た目も似ているのですが、胸部に入った黒筋模様が特徴的です。
クロスジギンヤンマも、ギンヤンマに続いてたくさん見られるヤンマの仲間なのですが、周りが樹林になった池などに多く生息するので、キャンプに行ったときなどに見つけたものは、クロスジギンヤンマかもしれません。
公園や池などに散歩に行くとギンヤンマが飛んでいることもあります。
見つけたらぜひ観察してくださいね!
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
