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カバタテハ

旬のもの 2025.12.10

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こんにちは、昆虫写真家の村松です。

今回はふだんはあまり見かけることのない、渋めな色彩が趣のあるカバタテハを紹介します。

カバタテハは漢字では「樺立羽」と書きます。
動物のカバは全く関係がなく、樺とは樺色を指していて、赤みを帯びた黄色のことを表しています。

羽を広げたときに見せる模様は大人しい印象ですが、その色味がとても印象的なタテハチョウの仲間です。
日向ぼっこをするように、地面に降りて羽を広げている姿をよく見かけます。

カバタテハ

以前は、海外から飛んで来たと思われる個体が見られる程度でしたが、1980年頃から沖縄の八重山諸島近辺で継続的に見られるようになりました。
見られる数も、減ったり増えたりを繰り返しているようですが、蝶園などで飼育もされています。

羽を閉じると地味な模様で、枯れ葉のような雰囲気です。
天敵から見つかりにくくなる工夫なのだと思います。

羽を閉じて止まるカバタテハ

成虫も印象的ですが、卵や幼虫にも特徴があって面白いので紹介します。

まずは卵。
長い毛が生えていて、色は葉っぱに馴染む緑色。
小さな卵ですが、まるで緑色のウニみたいなデザインがポイントです。

高い密度で毛が生えているので、アリなどの天敵がやってきても簡単には持っていくことができないでしょう。

長毛がある卵

幼虫は黒色でトゲが目立つイモムシです。背中には黄色と白の帯があります。
頭部からはひときわ長く分岐する突起が伸びていて、これはもう立派なツノのデザインと思って良いでしょう。

タテハチョウの仲間のイモムシには、頭部に突起を持った種類が他にもたくさんいて、それぞれが特徴的なデザインをしているのも面白いんです。

カバタテハの幼虫

幼虫が食べるのは、トウダイグサ科のトウゴマと呼ばれる植物です。
ヒマとも呼ばれ、その種子からとったヒマシ油はむかしから広く利用されてきました。

そういったことから本州でも見られる植物なので、分布が広がりそうなものですが、そういった気配はありません。

かなり暖かな環境でなければ生息しづらいのでしょうね。

分布が限定的なチョウなので、あまり身近な存在ではありませんが、昆虫館などで見られることもあるので、目にした際にはぜひ観察してみてくださいね!

カバタテハ

写真:村松佳優

※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

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村松佳優

昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。

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