日本の冬の寒い時期には、昔ながらの保存食が作られてきました。例えば、干し柿、切り干し大根、海苔、寒天などがあります。
今日のお話もその中のひとつ「干し芋」です。
干し芋は、蒸したさつまいもの皮を剥いて、スライスして干したものです。作り方はとても簡単ですので、晴れた寒空の日にご家庭で干し芋作りを楽しまれても良いかと思います。鳥さんに取られないように気をつけてください。
商品になる干し芋には、熟練の技が詰まっています。甘みを最大限に引き出す蒸し時間、熱々のさつまいもの皮を素早く剥き、ピアノ線を貼った器具を使って均一の厚みになるように切る手仕事。干す工程では、昔ながらの天日干しに加え、乾燥機が使われるようになりましたが、干し具合を見極めるのは人の目です。シンプルな工程の中に、奥深さを感じます。
干し芋は、硬め、柔らかめと異なる食感のもの、ねっとり系の紅はるかなど品種にこだわりがあるものなどがあります。「平干し」とも呼ばれるスライスされている干し芋の他、スライスされずに丸ごと干した「丸干し」もあります。丸干しは平干しと比べて乾燥日数が長くなるため、管理が難しく高価になります。また干した後にでる切れ端は「切甲(せっこう)」とも言い、端っこの部分ならではの味わいが楽しめて、比較的優しい価格です。
「ほしいもの日」があるのをご存知でしょうか。一(月)と十(日)が合わさると「干」になること、干し芋作りの工程にある「糖化」にかかる日数「十日」にかけること、旬でおいしい時期になること、これからの理由にちなみ、「一月十日」にさつまいもの一大産地である茨城県が制定しました。
ぜひ旬の干し芋を色々楽しんでください。干し芋の透き通るような、輝く金色が綺麗です。干し芋の表面についている白い粉は、時間の経過などに由来する、さつまいもの糖分であるマルトース(麦芽糖)の結晶化によるもので、食べても大丈夫です。自然の白粉も、干し芋ならではの美しさのような気がします。
そのまま食べても良いですし、電子レンジで150wで15秒ほど温めると、やわらかくなって食べやすくなり、ほんのりと甘い香りが立ちます。
干し芋を食べると、自然の優しい甘さに癒されました。卵と優しい味同士の組み合わせ、カレーのスパイシーな辛さのアクセントになる、甘いトッピングとレシピが浮かんできました。
とても簡単に出来ますのでよかったら作ってみてください。
干し芋とチーズの卵焼き
材料
•卵 2個
•チーズ 15g(スライスチーズ1枚)
•干し芋 お好みの量
•油 適量
作り方
①干し芋は電子レンジで150wで15秒加熱した後、細切りにします。チーズも細切りにします。
②ボウルに卵を割り軽く溶いた後、①を入れて軽く混ぜ合わせます。
③卵焼き器に油を引いて、卵焼きのように何度か卵液を流して巻いて焼いたら完成です。
☆ポイント
油の代わりにバターにしても干し芋と相性が良いです。
チーズを入れない場合は塩を適量入れてください。
干し芋レモン
材料
•干し芋 30g
•水 大さじ2
•レモンの絞り汁 小さじ1
作り方
①小鍋に刻んだ干し芋と水を入れて中火にかけます。
②水がほぼ無くなれば火を止めて、レモンの絞り汁を加えて軽く混ぜ合わせたら完成です。
☆ポイント
カレーのトッピングにすると、干し芋の甘さとレモンの爽やかでいいアクセントになります。

川口屋薫
料理人
Le btagev(ルブタジベ)代表。大阪出身。料理人。珍しいやさいの定期便をしています。風薫る季節5月が過ごしやすくて一番好きです。イタリア在住中、ヨーロッパ野菜に恋し、日本の野菜が恋しくなったのをきっかけに野菜に関わる仕事をしています。 趣味 囲碁
