こんにちは、昆虫写真家の村松です。
今回紹介するクロイトトンボは、トンボの仲間の中でも小さな印象があるイトトンボの仲間です。
イトトンボの仲間は細く長い腹部が特徴的で、細長い「糸」から連想されて名付けられました。
名前から黒いイトトンボかと思いきや、青色がとても印象的です。
成熟したオスは胸部に青白い粉を帯びてくるのですが、背中は黒っぽいですね。
模様が強く入るイトトンボの仲間も多いので、特徴の一つになるようです。
他のトンボやヤンマのように素早くは飛びませんが、小さくても肉食の昆虫です。
止まっているところをじっと観察していた時、急に飛び立って戻ってくると口がモゴモゴ動いていました。
空中で小さな昆虫を捕食するようです。
飛んでいる獲物を捕まえるのですから、すごい飛翔能力です。
青色が印象的といいましたが、この色彩は成熟したオスの特徴です。
実は羽化して時間が経っていない未成熟のオスは見た目が違います。
この写真は未成熟のオスで、さっきの青いクロイトトンボと同じイトトンボです。
同じトンボとは思えない見た目ですね。
羽化してしばらくは、このように明るい体色で過ごします。
だんだんと青白く変化していくのですが、成虫になってからも変化していくのは面白いポイントだと思います。
他の昆虫でも、羽化したばかりの印象が大きく違うものがたくさんいます。
カブトムシだって羽化したばかりのときは、白い羽をしています。
時間の経過とともに、だんだんとオレンジ色に変化して、その後黒くなっていきます。
カメムシの仲間のヨコヅナサシガメは、羽化した時の色彩が真っ赤です。
時間の経過とともに赤黒く変化していき、最後には白黒の立派なサシガメの成虫になります。
昆虫は幼虫から成虫へと変態し、そこから姿を変えることはありません。
しかし、成虫になってからも見た目が変化していくのは昆虫観察の醍醐味でもあります。
秋は、トンボの仲間も見られますし、他にも色んな昆虫が活動しています。
ちょっとした変化を見つけるのも昆虫観察の楽しみですね。
写真:村松佳優
※日本の昆虫を撮影し、その魅力を紹介するWebメディア「ムシミル」を運営しています。ブックレットの制作もしているのでムシミルで検索してみてください。

村松佳優
昆虫写真家
滋賀出身、大阪在住。新しい命が芽吹き、生き物が活動を始める春が好きです。昆虫の散策や観察が好きで、見て、驚き、感動したことをWebメディア「昆虫写真図鑑ムシミル」に載せています。多くの人にその面白さや美しさが届けば嬉しいです。
