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山滴るやましたたる

季語 2022.07.16

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こんにちは、こんばんは。
ライターの栗田真希です。

「山滴る(やましたたる)」という言葉は夏の季語です。Weblio大辞泉によると「草木の葉で覆われて緑が滴るように見える夏の山を形容する言葉のこと」。俳句の季語としても使われています。

この「滴る」という言葉には、「美しさや鮮やかさがあふれるばかりに満ちている」という意味があり、夏の山の様子を表すのに似合っていますよね。さらに、瑞々しさも感じます。

夏より春の草木のほうが瑞々しいのでは? と以前は思っていたのですが、山々に囲まれたのどかな場所で暮らすようになって印象が変わりました。山のなかを歩いていると、春の草木はやわらかい黄緑色で、品種によっては産毛をまとっていることに気づきました。まだ水分を内側に抱えているかのよう。

それに比べると、夏の草木はツヤっぽい。緑の色も濃く、強い日差しを受けて、濡れたようにきらきらと輝いています。遠目に風に揺れるさまを見ていると、河川や海の水面のようにも見えて、滴るような瑞々しさ。

よく繁った草木は、さざなみのような葉擦れの音を奏でます。そんなところも、滴っている気配につながっているかもしれません。

ほかの季節よりも、山がいきいきとして見える夏。

山を散策したりドライブしたりして、潤んだようにツヤのある草木を眺めるのもよし。山中で直射日光を避けて木漏れ日で涼んで葉擦れの音に耳を澄ますのもよし。みなさん、この夏も「山滴る」を体感してお過ごしください。

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栗田真希

ライター
横浜出身。現在は東京、丸ノ内線の終着駅である方南町でのほほんと暮らす。桜をはじめとした花々や山菜が芽吹く春が好き。カメラを持ってお出かけするのが趣味。OL、コピーライターを経て現在はおもにライターとして活動中。2015年準朝日広告賞受賞、フォトマスター検定準一級の資格を持つ。

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