おはようございます、こんにちは。エッセイストの藤田華子です。
気づけば10月も終盤…この時期の大イベントといえば、そう、ハロウィン!
仮装して街を闊歩する方々を見かけるようになり、すっかり日本でも定着しましたね。
起源は古代ケルト人にあるといわれています。
彼らは毎年10月31日に、豊かな秋の収穫を祝い、ご先祖様の霊をお迎えしていたそう。ご先祖様の霊をお迎えするって、どこかで聞いたような…?お察しのとおり、もともとハロウィンは日本のお盆にあたる行事だったのです。

日本では仮装はしませんが、ハロウィンは魔女やゴーストなどちょっと恐ろしいテイストに変装しますよね。これにはちゃんと意味があるんです。
先ほどハロウィンの日にはご先祖様の霊をお迎えすると言いましたが、困ったことにその霊と一緒に、悪さをする精霊や悪霊も私たちの世界に来てしまう。悪霊たちは大切な家畜や農作物に悪影響を及ぼしたり、子どもをさらっていく恐ろしい存在だったのです。
そこで焚き火をしたり、仮面をかぶったりして悪霊を追い払ったことから、仮装をする習慣が始まりました。
ちなみにハロウィンのシンボルである、カボチャの「ジャック・オー・ランタン」。これも仮装と同じく、悪霊退散のために作られたものです。
かわいいけどちょっと不気味な「ジャック・オー・ランタン」は、悪霊を怖がらせて追い払う役割を果たしてくれる、私たちの味方。最初はカボチャではなく、カブで作られていたという説もあるそう。なんだか頼もしいヤツに思えてきました。

現代ではそういった宗教的な意味は薄れ、お化けに仮装し、お菓子を交換したりパーティーを楽しむイベントとして親しまれるようになりました。日本でも意外と歴史が深く、最初のハロウィンは1983年にキデイランド原宿店が企画したそう。そののち1997年に東京ディズニーランドで「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」が開催され、いまでは神奈川県川崎市が「カワサキ・ハロウィン・パレード」という、国内最大級のパレードをおこなっています。
しかし今年は他のイベントと同じく、大人数で集まることが難しい状況。そんななかでも、オンラインで仮装を見せあったり、マスクに動物の口を描いたり、ハロウィンを楽しもうという動きがあるようです。

例年のようにお祭り騒ぎをするわけにはいきませんが、ひっそりと、豊かな秋の実りに感謝してご先祖様に想いを馳せるーーオリジナルに倣って、そんな1日にしてみてはいかがでしょう?
2020年ならではの、ハッピーハロウィンをお過ごしください。

藤田華子
ライター・編集者
那須出身、東京在住。一年を通して「◯◯日和」を満喫することに幸せを感じますが、とくに服が軽い夏は気分がいいです。ふだんは本と将棋、銭湯と生き物を愛する編集者。ベリーダンサーのときは別の名です。
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