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御朱印ごしゅいん

暦とならわし 2022.03.02

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

近年、神社仏閣を参拝する人の間でまたたく間に人気が広がり、一大ブームとなっているのが「御朱印集め」です。

御朱印とは、もともとお経を書き写してお寺に納めたしるし――すなわち「納経の証」だったもの。現在は、神社仏閣でいただける「参拝の証」という意味を持つものになりました。つまり、それは神様や仏様と私たちを結ぶ、ご縁のしるしとも言えるわけですね。

本来はその名の通りシンプルな「朱印」のみだったものが、最近では墨書き以外にも、個性豊かで華やかな御朱印を授ける神社仏閣が増えてきたようにも思います。
お気に入りの御朱印帳を携えて、自分だけの大切な参拝記録を記していくと、後に「そういえば、あの人と一緒にここへ参拝したなぁ」と、しみじみ振り返る醍醐味もありますね。

思えば、私たちは人生の折々に、神社やお寺に足を運んでいるのではないでしょうか。
お正月の初詣や、旅行先での参拝。初宮詣や七五三などの、さまざまな人生儀礼。合格祈願や病気平癒といった、切なる祈りを届けたいとき――。
多くの日本人は、生まれて間もない頃から神社やお寺にご縁をいただき、一生を歩んでいると言っても過言ではありません。

神様も仏様も、私たちの目には見えない存在です。
その絆は、一人ひとりの心の内に確かに刻まれているものですが、人間はどうしても忘れやすく揺らぎやすい生き物。
人生の選択を迷い、道を踏み誤ってしまうことも、少なくありません。
神社やお寺に足を運ぶ人たちにとって、一つひとつのご縁を御朱印帳の中に目に見える形で記録していけることは、大きな魅力だと言えるでしょう。

授かった御朱印は、御札や御守りと同じように神様仏様の分身(御分霊)でもあるため、観光先で押す記念スタンプのコレクションとは大きく意味が異なります。
授かった御朱印は一生大切に保管していただき、たくさんのご縁を手元に残していっていただけると素敵ですね。

一説では、私たちがこの世を旅立つときに御朱印帳をお棺に入れて持ってゆくと、それが向こうの世界の道標になるのだとか。
それが本当かどうかを知ることはできませんが、想像するとなんとも心強いお話ですし、より現世で神様仏様とのご縁を大切にしようと思えてきますね。

まだ御朱印を授かったことがないという方でも、「御朱印を集めてみたいな」と思い立ったときが、あなたの吉日。
素敵な御朱印帳を用意して、神仏様とのご縁を深めてみませんか。
開いて見るたびに、神仏様がいつもあなたを見守ってくださっていることを、そっと感じられることでしょう。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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