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七福神しちふくじん

暦とならわし 2022.01.28

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

日本では、「あらゆるものに神様が宿っている」という考え方のもと、八百万(やおよろず)の神様がいると言われてきました。この「八百万」というのは、実際の数のことではなく、「数限りなく多く」という意味の言葉です。
その中でも、特に縁起の良さで有名な神様として挙げられるのが「七福神」なのではないでしょうか。

写真提供:紺野うみ

文字通り、七柱(はしら=神様の数え方)の神様が集まって宝船に乗っている姿を、誰でも一度は目にしたことがあるはず。
七福神の神様にはそれぞれに司る分野があり、多方面から災いを退けて福を招く、幅広いご神徳やご利益をもたらしてくださいます。
その縁起の良さと万能とも言える安心感に、多くの人に愛され、各地の神社や仏閣でお祀りされているのでしょう。

神社や仏閣でお祀りされている、ということからも分かるように、実はあの七柱の神様は日本だけでなく、インドや中国の神様も含まれた、言うなれば非常に「グローバルな神様グループ」なのです。
それでは、どのような神様がいらっしゃるのかを、一柱ずつご紹介していきましょう。

恵比須(えびす)
商売繫盛・大漁・五穀豊穣の神様。
烏帽子をかぶり、手には釣り竿と鯛を持っている。
日本の神話に登場する、蛭子命(ひるこのみこと)か、事代主命(ことしろぬしのみこと)であると言われている。

大黒天(だいこくてん)
財福・開運招福・子孫繁栄の神様。
打ち出の小槌と、大きな袋を持っている。
インドの神話に登場する創造と破壊の神様・シヴァ神と、仏教の大黒天と、神道の大国主命(おおくにぬしのみこと)が結びついたとされている。

弁財天(べんざいてん)
技芸上達・学問・財運の神様。
とても美しい、七福神唯一の女神様。楽器の琵琶(びわ)を持っている。
インド神話の女神サラスヴァティや、仏教の吉祥天、神道の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が融合している。

布袋(ほてい)
笑門来福・人徳・福徳円満の神様。
坊主頭で、福々しいお腹が印象的。
七福神で唯一、実在した人物である中国の禅僧がモデルとされ、一説では弥勒(みろく)菩薩の化身とも言われている。

福禄寿(ふくろくじゅ)
延命長寿・子孫繁栄・立身出世の神様。
縦長の坊主頭に、大きな杖を持っている。
中国の南極星の化身であり、寿老人と同一の神とも言われている。

寿老人(じゅろうじん)
諸病平癒・不老長寿の神様。
白くて長い、立派な髭がある。
中国の道教の神様で、福禄寿と同体異名ともされている。

毘沙門天(びしゃもんてん)
厄除け・財運・勝負運の神様。
鎧兜をまとった、勇ましい姿をしている。
仏教の四天王としても名高い・多聞天の別名も持っている。

こうして見てゆくと、神道、仏教、道教、ヒンズー教……実に、さまざまな宗教の神様が多様に混ざり合いながら、力を合わせてくださっているようにも感じられます。
それと同時に、この世を生きる人々が幸福を祈る想いの強さと、日本人が歴史の中で育ててきた宗教文化の懐の深さを想わずにはいられません。

国を越えて、宗教を越えて、さまざまな神様が人々の幸福のために集結したのだと考えると、とても心強くありがたい存在ですね。
できれば、お一人お一人の神様のお名前や特徴を覚えて、その素敵なお力にあやかりたいものです。
どこかで七福神を見かけたら、そのお顔とお名前を照らし合わせてみてください。

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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