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長閑のどか

暦とならわし 2023.02.28

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こんにちは。巫女ライターの紺野うみです。

長閑(のどか)、と聞いたとき、皆様はどんな景色を思い浮かべますか?
それはきっと、心がホッと安らぐような光景で、それぞれの胸の中に素敵なイメージがあるのではないでしょうか。

たとえば――。
お気に入りの場所で、美味しいお茶を片手にくつろいでいる瞬間。
草花が美しく萌えて作り上げる、やさしい色彩を眺めているとき。
かわいらしい生き物が、ぼーっとしながら過ごしている様子。
どこまでも続く空の色や、雲の動きを見上げているひととき。
「のどかな時間」のただなかにいると、目に映るものすべてが、穏やかな時の流れを楽しんでいるかのように思えてきませんか。

俳句の季語でもあるこの言葉は、春の日ののんびりとしたさまを表現しています。
天気も穏やかで、うららかな晴れの日です。
本格的な春を前に、次第に日も長くなってくると、昼間の時間もゆるやかに感じられるようになりますよね。

言葉には、口に出して音にすると、その雰囲気を伝えてくれるようなものもありますが、「のどか」という言葉もそのひとつという気がします。
なんだか、春の雰囲気をそっとつかまえて、きゅっとおにぎりのように握ったみたいな言葉です。

漢字で書いても、これまたぴったり。
二文字の漢字が生み出す意味は、「静かで長いひまな時間」「心静かに過ごす長いひととき」といったものですから。
こういう言葉のおもしろおかしさや、無限大にも感じられる表現力に触れたとき、私は「やっぱりいいな、日本語って好きだなぁ」と思うわけです。

思えば「のどか」という言葉にはじめて触れたのは、きっと子どもの頃でしたが、あの頃は時間がいくらでもあるような気がしていました。
「やるべきこと」に背中を追われるようなことも、今よりぜんぜん少なくて、自由に見るもの触れるものを満喫できていたかもしれません。

そんなことを思い出していると、ふとここ数年「のどかだなぁ」といった言葉を、口に出して使っていなかったかも……と気がつきました。
時間を一切気にすることなく、のんびりとした気持ちで春の中に浸かるようなひとときを過ごせたら、そのとき初めて「のどかだなぁ」と心の底から言えるような気がします。
もしかすると、人は時間を忘れてのんびりできるような時にしか、本当の意味での「長閑」を実感できないのではないでしょうか。

現代社会を生きていると、本当にそんな瞬間を感じることができている大人は、どれくらいいるのでしょう。
時には子どもの頃に戻ったように、「のどかな春」を探しては、肩の荷物をなにもかも放り投げて、ひたすらぼーっとするような時間も持ちたいものです。

そしてそんな瞬間、「自分にとって最高にのどかな光景」について、考えてみませんか。
人生の中に、そういうひとときも積み重ねていけたら、もっと心軽く生きていけるような気がします。
今年の春の目標が、今ひとつ決まりました。――「長閑」な時間を見つけて、そっと味わうこと。
皆様も、ご一緒にいかがでしょうか?

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紺野うみ

巫女ライター・神職見習い
東京出身、東京在住。好きな季節は、春。生き物たちが元気に動き出す、希望の季節。好きなことは、ものを書くこと、神社めぐり、自然散策。専門分野は神社・神道・生き方・心・自己分析に関する執筆活動。平日はライター、休日は巫女として神社で奉職中。

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